海鳴り忍法帖  [必殺技辞典]

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時は室町の末期にして戦国の真っ只中。足利将軍の御台・夕子の方に仕える“ミカエル厨子丸”は、兵器の開発と工夫に興味を持つ青年である。だが彼はその特技に反して気弱で、兵器で人を殺すことを嫌っていた。御台への密かな想いを抱いていた厨子丸は、彼女にそっくりな鶯や厨子丸に想いを寄せる“ひよどり”といった女性たちとともに日々を過ごしていたのである。
だがそんな彼も、時代の激動に襲われる。天下を狙う梟雄・松永弾正が謀反を起こし、足利将軍を殺害したのだ。厨子丸やひよどりはかろうじて難を逃れるが、鶯は夕子の方と間違われて、弾正に仕える“根来忍法僧”に惨殺されてしまった。それを激しく憤った厨子丸は復讐を決意。日本唯一の自由都市・境の実力者である呂栄助左衛門の協力を得、自慢の兵器知識と技術を持って戦いに乗り出すのであった。
忍法と権力者、自由都市と近代兵器の果てしなき戦い。時代の節目ともいうべきこの戦いで厨子丸が辿る結末とは・・・・・・?

山田風太郎・作、忍法帖シリーズ長編のひとつ。“忍法対近代兵器”がテーマであり、忍者および忍法はまったくの脇役だが、かわりに趣向を凝らした近代兵器が続々と登場する。

女身水ぐるま(にょしんみずぐるま) 十輪坊
海鳴り忍法帖
女性と交合した状態(自分が上の体位)で、コマのように大回転する。忍法そのものというより、忍法を応用した曲芸というべきか。(ケケケさんより)

人間数珠 根来僧
海鳴り忍法帖
根来僧の多くが体得している忍法。女の髪を根来流に編んでつくった紐を相手の口と肛門に突っ込み、念力をかけることで体内にて繋げて一本の紐にする。それはまさしく人間を数珠つなぎにするものであり、数多くの男女をこの技で苦しめた。(ケケケさんより)


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