サウザント・メイジ [必殺技辞典]

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佐々原史緒/著 まりお金田/絵
ファミ通文庫全3巻
異界より力を呼び出す魔導が大成されたフェリオス大陸。魔導アカデミー『思慮の塔』を首席で卒業したオニキス・ドーナは、70年前大陸中を戦乱に巻き込み、元々寿命が長いか魔導で寿命を延ばし未だ逃げ続ける戦犯魔導士を狩る王立連合捜査団に所属、『硬玉の元后』『千年賢者』などと讃えられるハイ・エルフ、アダマスと組むことに。だが柔和な美少女然としたアダマスの実態は、ちゃらんぽらんで子沢山(千年かけて立派な一族を形成している)で男好き、果ては自分の子孫を召喚する反則技の持ち主という、常識外れの存在だった。共に行動するに従い、アダマスの底なしの笑顔に頑なな心が溶かされてゆくオニキスは、彼女の重大な秘密を目の当たりにする――

「応えよ、我が呼び声に。来たれ、我が眷属。我が血の道を辿り、命運の門を開け」
「○○ちゃん、助けてー!」

●魔導
呪言によって集中力を高め、奇跡を成す術。強大な獣を呼び出すエルフの召喚魔導、土水火風気の属性に基づき人間が己に呼応する力を呼び出す属性魔導、魔導を古き宝石に閉じ込めた魔宝から力を導き出す魔宝魔導などに大別される。人間とエルフの血が混じったハーフエルフは召喚魔導と属性魔導の合いの子の様な魔導を使用する。

●召喚魔導
主にエルフの扱う魔導。異界より強大な獣を召喚し、魔力で強制的に従わせて使役する。ただしこの世に存在する自らの眷属を召喚するアダマスは魔力による強制服従をしない。

●属性魔導
主に魔導士の扱う魔導。土水火風気の内第一属性及び相性のいい第二属性のみ使用可能。ごくまれに五大属性全てが第一属性とか、二つの第一属性(最大4属性を使用可能)という規格外が存在する。

●魔宝魔導
己の得意な属性しか使えないという属性魔導の欠点を克服するために開発された術。魔導を属性ごとに人間の魔力に呼応する古き宝石に閉じ込めた魔宝から力を導き出す。これがあれば自分の属性以外の魔導も使えるが、魔宝の中の魔導が尽きればそれで再び魔導を閉じ込めないと使用不可能になる、いわば使い捨て。廉価なものは魔導士用のアイテムとして販売されるほど普及しているが、中にはとんでもなく強力かつ大量の魔導を閉じ込めた家宝級が存在する。

雷霊(スピリートゥ・トニトルス) アズライト
サウザント・メイジ
アダマスの孫にしてクォーターエルフ、魔導騎士アズライトの長呪魔導。槍の穂先で円を描くと同時に雷を召喚して目標に落とす。
「応えよ、我が呼び声に。来たれ、天空の怒れる魂!闇を引き裂き、地上を撃つ、神々の輝く鉄槌よ。その高き眦を、今ここに顕し示せ!」(HOLICさんより)

燃焼(アルドル) オニキス・ドーナ
サウザント・メイジ
炎をぶつけて対象を燃焼させる魔導。パラス=オニキスの沈んだ水面に叩きつけたが、出番がそれっきりで描写が少ない。長呪の中では最も呪言が短い部類に入る。
「風いませ、灼熱を受け、溢れて弾けよ」(HOLICさんより)

炎の矢(イグニス・サジッタ) オニキス・ドーナ他
サウザント・メイジ
名前の通り炎の矢を発射する魔導。火炎系は総じて高所では空気が薄いところではよく燃えないなど、欠点が多い。オニキスは呪言詠唱を魔導の媒介とするが、シドニオ・アルデミオは手にする魔宝を強く握る行為が媒介になっている。
「陽光に挑む、紅蓮の輝き。怒りの弓に、つがえられし栄光の光。空を切り、宙を超え、風を追って、汝が敵を屠れ」。(HOLICさんより)

火(イグニス) オニキス・ドーナ
サウザント・メイジ
対象に炎を与えて着火させる、いわば火打石的短呪魔導。(HOLICさんより)

爆炎弾(イグネス・ディルブデ・グロブス) オニキス・ドーナ
サウザント・メイジ
炎を撃ち出し、着弾点に大爆発を起こす魔導。オニキスにとっては中堅どころの威力もさることながら、味方を捕らえた敵や洋上の艦隊に対しても遠慮なく使用しているので、一度の使用による最大攻撃範囲はかなり広く、またかなり自由に調整可能のようである。
「闇にいまし、我が守護なる力。灼熱の刃の使い手よ。燃やし尽くせ、我が敵を。覆い尽くせ、死の翼にて!」(HOLICさんより)

[1]風(ウェントゥス)
[2]疾風波撃(ウェントゥス・プロケス・インクルステ)
オニキス・ドーナ
サウザント・メイジ
[1]風の短呪魔導。似た読みの旋風(ウェントス)と同一か? 空中でのバランス取り・落下の衝撃を逃がすことができるが、人を吹き飛ばすことにも使えるので正直、旋風(ウェルテクス)との違いもわからない。(HOLICさんより)

[2]烈風を巻き起こし、吹き飛ばして猛烈な勢いで壁などに叩きつける風の魔導。
「目覚めよ、大気の息吹。地平を乱す荒ぶる魂。大地を巡り、虚空に響き、我が武器となりて疾く進め」(HOLICさんより)

旋風(ウェルテクス) オニキス・ドーナ
サウザント・メイジ
旋風を巻き起こす風の短呪。相手が人間程度なら軽く吹っ飛ぶが、それ以上の効果はない。(HOLICさんより)

爆円陣(ウスティオ・キルクルス) オニキス・ドーナ
サウザント・メイジ
火の長呪魔導。自身を中心とした火の輪を出現させる。火力は根性出せば乗り越えられる、そんな程度。
「星々墜つ、永久の響き。この器に満ち満ちて、覇者の輝きを示したまえ」(HOLICさんより)

超太陽流(グラン・ソール・フルクシオ) オニキス・ドーナ
サウザント・メイジ
後に炎の支配主(イグニスマスター)と謳われるオニキス最強の長呪魔導。足元に浮かび上がった魔導陣から膨大な炎の濁流を呼び起こす。スタミナ配分を考えなかった最初期はこれと爆炎弾一発ずつでへばったが、徐々にペース配分がうまくなったようである。が、威力自体も上昇してるように見える。
「熱砂の星にして、天空の王者。宙に満ちて、光放つもの。轟け、勝利の大河よ。天翔る万軍の矢を持って、汝が敵を退けよ」(HOLICさんより)

雷鳴撃(トニトルス・インクルステ) オニキス・ドーナ
サウザント・メイジ
魔導陣から電撃を撃ち出す長呪魔導。ちなみに、電撃系は作中で土水火風気どの属性か明記されていない。 使い手が火と風の属性魔導しか使えないオニキスである以上、そのどちらかであることには違いないが。
「荒ぶる天上の大帝、光の覇王よ。闇に宿り、空を裂き。大地を奔り、世界に轟け」 (HOLICさんより)

松明(ファクス) オニキス・ドーナ
サウザント・メイジ
明かりを点ける短呪魔導。明かりが点るのは(特に描写が無いが)魔導の基点となるロッドだろうか?(HOLICさんより)

沸騰(フェルオル) オニキス・ドーナ
サウザント・メイジ
一瞬で大量の熱を水に与え沸騰させる火の長呪の魔導。水中で自分ごと敵に対して使用したが、無論本来こんな使い方はしない。
「平らかなる銀板の底……熱球の奇しき招き手よ……満ち満ちて、今、空に還りなん……」(HOLICさんより)

火炎(フランマ) オニキス・ドーナ
サウザント・メイジ
瞬間的に火を放つ魔導。呪言の媒介が要らない短呪に類する。その分威力は低く、牽制程度に使う。(HOLICさんより)

樹草霊(スピリートゥ・ステイルペース) ジュダイト
サウザント・メイジ
アダマスの玄孫、ジュダイトの長呪魔導。大地の底に眠る植物を広範囲で異常成長させて召喚する。矛先を定めれば巨大なバジリスクの王すら全身を覆い尽くして捕らえてしまう。だが、本来の使い方は飢饉回避、作物の育ちの悪い地方での使用であるため、有効範囲が存在せず一度使用すると使い手の一存では止められない。
「応えよ、我が呼び声に。来たれ、大地覆う聖なる魂。天の栄えを、地に受けよ。太古の君にして、萌え出でし永遠の女王。そは寛大なる恵みの主……」(HOLICさんより)

奔流(トレッテンス) パラス=オニキス
サウザント・メイジ
魔導陣から水の急流を呼び出す長呪魔導。パラスの本領は召喚魔導だが、直接戦闘でもオニキスに引けを取らない。オニキスが撃ち合いに際して自分の呪言に集中したため、呪言が途中で不明になっている。
「雲の恵みと雨の歓び……天地を揺るがしつなぐもの」(HOLICさんより)

真空剣撃(バキュム・アエル・グラディウス) 魔宝改造山賊
サウザント・メイジ
魔宝改造を受けた山賊の使用した、切れ味鋭いカマイタチを起こして相手を切り裂く魔導。魔宝を体内に有する彼らは魔導を使うに当たり、本来あるはずの呪言の媒介が武器を振り回す動作に入れ替わっているので立ち上げ速度が異常に早くなっている。オニキス曰く風の最上級魔導らしいが、ただのカマイタチが最上級とは……台風とか嵐とか起こせないものだろうか? 異界から力を引っ張り出すが故の限界か?(HOLICさんより)

光裁(ルクス・サンティクオー) 魔宝改造山賊
サウザント・メイジ
光を撒き散らし、攻撃する魔導。魔宝を埋め込む改造を施された山賊のみが使用したが、これは正規の使い方ではないので、これ以上の詳細は不明。(HOLICさんより)


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