原作著者:天野こずえ 連載雑誌:月刊少年ガンガン レーベル:ガンガンコミックス(現 スクウェア・エニックス刊) 小説版著者:藤咲あゆな 昔から不思議な現象(通称「不思議事件」)が多発する丘にある夢ヶ丘中学校。 夢ヶ丘中学校には数々の不思議事件の謎を解明すべく綾小路宇土が立ち上げた「浪漫倶楽部」という倶楽部があった。 小さい頃から他人には見えない不思議な存在を視ることが出来る一種の魔眼「第2の瞳(セカンドサイト)」を持った少年・火鳥泉行は、宇土と共にいつもどおり取るに足らない事件を捜査しているうちに裏山で彼にしか見えない一人の小さな少女と出会う。 彼女は自らのことをこの町の奇怪な現象を鎮めるために生み出された丘神石の番人を務める石の精霊だと名乗り、その後宇土と合流してちょっとした事件を解決する。だがこれらの出会いによって本来彼女が持ち得ないはずの感情を持ち始めた彼女は丘神石に戻ることが出来なくなってしまうのであった。 彼女は泉行らと別れてもう一度丘神石に戻ろうとするが、新しく芽生えた寂しいという感情が彼女の歩みを止めてしまう。火鳥から芽生えた感情のことを教えられた彼女は浪漫倶楽部の面々と居ることを選び、彼女の不在によって丘神石の力が弱まった分を浪漫倶楽部が総力を挙げて補うと同意する。そして浪漫倶楽部に彼女が入部するに当たり、泉行は名前の無い彼女に「コロン」という名前をプレゼントする。 こうして本格的に起こり始める事となった不思議事件にまつわる素敵な物語が幕を開けるのであった。 「クレセントノイズ」「AQUA(ARIA)」でお馴染みの天野こずえ先生が初期に世に送り出した作品の一つ。 天野こずえ先生最初の長期連載作品で、不思議事件が多発する夢ヶ丘中学校を主な舞台に火鳥泉行や丘神石の精霊コロン、校内でも変人として有名な浪漫倶楽部部長・綾小路宇土、偽りの友情を餌に同級生にいいように扱われていたが浪漫倶楽部のメンバーとの本当の友情を得た新入部員・橘月夜たち浪漫倶楽部の面々やライバルの風紀倶楽部の部長で密かに宇土に思いを寄せる学園のマドンナ・高橋由紀、そして数々の不思議事件を通じて出会った数々の人や動物、幽霊、憑喪神等達がちょっと不思議な、でもとても素敵な物語を紡ぎ上げている。 元はエニックスより発売していたがその後年月の経過によって再発行がなくなり始めた頃にエニックス御家騒動と呼ばれる事件が発生し、天野こずえ先生の作品「AQUA」のマックガーデン移籍と共にその権利もマックガーデンへと委譲されて新装版が2005年に販売された。ちなみにAQUA・ARIAから新規に読み始めた読者が手に取るようになったため需要はそれなりに高い。 季節感をふんだんに盛り込んだどこかほのぼの、されどホロリと来るようなハートフルな作風は後の作品にも受け継がれており、2001年から月刊ステンシルにて長期連載が始まった「AQUA」およびその正当な続編である月刊コミックブレイド連載の「ARIA」ではそれらの特徴がより発展して独特のキャッチフレーズまで与えられる程に進化している。 後に放送された同著者のアニメ化作品「ARIA」にて火鳥泉行と橘月夜がそれぞれ火鳥、月夜という名前で友情出演している(あくまで友情出演であり、両名とも同姓および同名の別人)。またARIAに登場するウッディーこと綾小路宇土51世は本作に登場する綾小路宇土の子孫という噂がある(原作者からの正式な回答はまだ無し) 【キャスト】 [補足が無い限りドラマCD版] ・火鳥泉行 役:岩永哲哉(ドラマCD)、鈴木千尋(ARIA The NATURAL) ・コロン 役 :木原さとみ ・綾小路宇土 役:千葉繁 ・橘月夜 役 :久川綾(ドラマCD)、中原麻衣(ARIA The NATURAL) ・源氏雛子 役:井上喜久子 ・桜井先生 役:緒方賢一 ・矢野 役:岡野浩介 【既刊情報】 「浪漫倶楽部」(全6巻、ガンガンコミックス刊) 「小説 浪漫倶楽部 お化け銀杏の伝説」(1997年3月発売) 「小説 浪漫倶楽部II 帰ってきた幽霊船」(1999年2月発売) 「浪漫倶楽部サウンドシアター」(ドラマCD、1996年9月21日発売) 【関連作品】 「クレセントノイズ」 「夢空界 天野こずえ短編集(1)」 「ARIA The NATURAL」(TVアニメ版ARIA第2期) |
・第2の瞳(セカンド・サイト) | 火鳥泉行(かとり せんこう) |
泉行が先天的に持つ能力で、普通の人間には見えない存在(霊的な存在等)を見ることが出来る。 ちなみにこの能力の名称は石の精霊コロンによって知らされたことから、過去にもこの能力を持っている人物がいたものと思われる。(クウガもどきさんより) |
・お願い魔法 | 猫又 |
1年に一度開かれる夢ヶ丘一帯の動物達のお茶会の司会役を務める猫又さんが使用できる魔法。 魔法で出現させた月を対象が捕まえることによって、対象の願いをかなえることが出来る魔法である。 作中ではウサギ(月夜が幼い頃に飼おうとした兎)の願いを受けて使用し、月夜やコロンの協力もあってウサギは無事に月を捕まえることに成功して10年ぶりに月夜と再会することができた。多分月夜達が動物達のお茶会に居合わせたのはこの魔法の影響が少し時間をさかのぼって効果を及ぼしたものと思われる。(クウガもどきさんより) |