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徳川家康の息子・結城越前守秀康は、その秘めたる才能と反抗的な態度によって、長男であるにもかかわらず父親から恐れ煙たがられている。秀康のほうもそれを恨み、両者の間には暗闘の火花が散っていた。そんなある日、秀康は忍法「接木肉づき」を使う鍋掛善九郎に命じ、梅毒で落ちた鼻を再生してもらう。それは善九郎自身の男根を移植して、秀康の鼻にするという奇怪なものだった。折りしも家康との仲が完全なる破局を向かえ、秀康の暗殺を謀る忍者が侵入してくるが、彼はその奇怪な“鼻”を思いもかけぬやり方で使ってそれらを撃破していくのだった・・・・・・・・・
山田風太郎・忍法帖小説短編のひとつ。「小説現代」71年12月号に掲載された。 |
| ・忍法接木肉づき | 鍋掛善九郎 |
| 越前服部組の忍者・善九郎が開発した忍法。欠損した人体部を、別の人体部のパーツで補うことが出来る。外見を補うだけで、機能までは戻らない。 結城秀康はこの技で、善九郎の男根を鼻にした。彼の場合はなぜか、鼻と男根両方の機能を併せ持つようになった。(ケケケさんより) | |