俺たちのフィールド  [必殺技辞典]

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 『多くの人の運命を変える力を持つ小さなボール。 その小さく重い球が今、蹴り出(キックオフ)される』
 Jリーグ設立の噂が囁かれ出したその時、ヤマキ自工所属のベテラン選手・高杉貫一を父に持つ小学五年生・高杉和也は、幼馴染みの森口愛子とともに貫一の応援のために訪れた元日の天皇カップの決勝戦のスタンドで大阪弁を操る少年と出会う。
 その少年―― のちに和也と愛子のクラスに転校してきた騎馬拓馬のテクニックにやり込められるものの、互いにないものを持つ二人は反目しつつもやがて惹かれ合い、いつしか友情で結ばれる事となる。
 だが、和也と拓馬、そして貫一で『Jリーグ』の舞台に立つその日を夢見るに至ったその時……あの不幸な事故が起きてしまうのであった。


作者……村枝賢一
連載……週刊少年サンデー1992年3・4号〜1998年45号
単行本……全34巻+外伝1巻

 『小学生編』『高校生編』『アルゼンチン留学編』『ヤマキ編』『バンディッツ編』『リザーブドッグズ編』『アジア予選編』『本大会・アルゼンチン戦編』と段階を通して主人公・和也の成長を描く事で、Jリーグ開幕、そしてワールドカップ初出場、という日本フットボール界における最大の転換期を余すことなく描ききった珠玉の名作。
 『キャプテン翼』や同時期に他誌で連載されていた『Jドリーム』『シュート』に比べて圧倒的に知名度は低いが、骨太のストーリーテラー・村枝賢一が描き出す物語は単なる『サッカーマンガ』の域を越え、極上のヒューマンドラマとして今なお支持を受けている。
 余談ではあるが、当初の予定では『アジア予選編』で終了する予定だったが、現実の本大会で作中最強のライバルである『ダミアン=ロペス』の出身国であり、因縁深いアルゼンチンと日本が対戦することが偶然決定したために、連載が伸びてしまった。
 このことを以って、『日本一サッカーの神に愛されているのは俺フィー』とする意見もあるが、そう称されても至極当然と言える作品である。

ピンポイントシュート 騎馬拓馬
俺たちのフィールド
 初出は181話(描写としての初出。ゴールそのものは180話で登場)。ロシア代表の世界レベルのテクニシャン・ビクトルのセレッソ加入により、同じテクニックを基本とした『ドリブラー』としての居場所を失った拓馬が『ストライカー』として生まれ変わるために生み出した必殺シュート。
 研ぎ澄まされた精神力と、DF練習を徹底的に行うことでDFの思考と守備の動き出しを身体に刻み込んだ上でDFの届かないギリギリの位置に供給されるピンポイントパスのコースを読み、ギリギリまで緊張させた筋肉を一気に爆発させて出せるトップスピードでマークを振り切って一気にシュートに持ち込む―― それまで培ってきた全てを捨ててまで変身にかけた拓馬の執念が生み出した、と言っても過言ではない。
 だが、やはりというか当然というか、マーカーのレベルが厳しく、ファールも辞さない一発勝負の世界に舞台が移ると通用しなくなった。(すがたけさんより)

ごっつあんシュート 桜場
俺たちのフィールド
第196話初登場。 フィールド内を駆け巡り、 いいポディションを得た状態で 繰り出されるシュート。

カウンタックスペシウムモーレツシュート 高杉和也
俺たちのフィールド
第4話初登場。 空中に体を丸めクルクルと回転しながら 飛び上がりオーバーヘッドキックを繰り出す。 蹴り出されたボールは大量に分身している。 妄想内で使用されたシュートである。

クライフ・ターン 高杉和也
俺たちのフィールド
初出は241話のアジア予選・日本−オマーン。一瞬の切り返しとヒールを使ったボールコントロールによってマーカーを置き去りにする、元オランダ代表の伝説的名選手・ヨハン=クライフの得意としたフェイント。(すがたけさんより)

ドライブシュート 高杉和也
俺たちのフィールド
初出は第73話のボカVSリーベル。後半15分に得たPKの際、ミゲーレのアドバイスで助走を長くしたことで無意識に踏み込みを深くしたことから会得できた和也の必殺シュート。和也の強く、しなやかな筋力からくる右足の振りにより、並外れたスピードと急激かつ強烈な落差を両立させたそのシュートにより、リーベルのGK・リカルドの無失点記録を2670分で止めるという偉業を成し遂げた。しかし、後にACミランプリマヴェーラの正GKとして伊武とともに日本に帰国した末次は和也のその偉業を知っていたらしく、しっかりと止められた。(すがたけさんより)

スーパーミラクルチャージ 寺本徳二
俺たちのフィールド
第80話初登場。 大層な名称がついているが、 要はスライディングタックルである。

かえる飛びオーバーヘッドキック 高杉和也、高杉貫一
俺たちのフィールド
 初出は第一話。カエル飛びから繰り出したオーバーヘッドで、高い打点から強烈なドライブ回転のかかったシュートを高角度で打ち下ろし、地面にバウンドしたボールをゴールネットの上に突き刺す、ヤマキ自工FW高杉貫一が考案し、『ヤマキVSオリオン』で使用した『俺フィー』の数少ない、そして、最高の必殺シュート。貫一の死後も息子である和也が受け継ぎ、高校サッカーの決勝戦において本城−有明の決勝ゴール……そして、98年ワールドカップ・フランス大会の日本−アルゼンチンにおいて、和也と最強のライバル、ダミアン=ロペスとの衝突によって生じたこぼれ球にくらいつき、アルゼンチンゴールに叩き込むという、ロスタイムでの劇的決勝弾となった。(すがたけさんより)

50mのワン・ツー 騎馬拓馬+高杉和也or尼崎香太郎
俺たちのフィールド
前方にグラウンダーの長めのパスを出し、受け手(主に拓馬)がキープ。出し手はそのまま一直線にフリーランニングで空いたスペース目掛けて駆け抜け、一気にゴールを狙うコンビネーション。パスの出し手に対しての一瞬の警戒心の欠如という心理的な盲点を突く、テクニカルかつ効果的なコンビネーション。(すがたけさんより)


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