忍法死のうは一定  [必殺技辞典]

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天正十年、日本統一に王手を掛けた織田信長は、次の目標を世界に移し壮大な野心を膨らませていた。だが、明智光秀が起こした本能寺の変により、その野望はもろくも消え去ろうとする。
絶体絶命の危機を迎えた信長の前に現れたのは、かねてより彼の周囲をうろついていた怪人物・果心居士だった。果心は女性の体内に納まって姿を隠す幻法「女陰往生」を使い、信長を本能寺から脱出させようとする。だがこの術は、己の人生を繰り返す幻影を見て廃人になるという恐るべき効果を併せ持っていた。・・・・・・・・

山田風太郎・作、忍法帖短編シリーズのひとつ。『オール読物』1970年7月号に掲載された。“戦国のフェイストフェレス”こと果心居士がまたしても登場し、奇怪な技を披露している。

幻術・女陰往生(にょいんおうじょう) 果心居士
忍法死のうは一定
怪幻術師・果心居士が操る幻法。術をかけた女性と交わった男は肉体がとろけ、肉盤を残した状態でその女性の体内に潜り込む。そしてしばらくすると、体内より赤ん坊の姿で生れ落ち瞬時に元の通りに成長する。そのように生まれ落ちた男は、これから起こる未来を走馬灯のように目撃しその内容を詳しく知ることができる。
偽りの無い未来を知る便利な技のように思えるが、この技で生まれ変わった者は、人生を繰り返す苦しみに耐えられずに自殺するか廃人になってしまう。(ケケケさんより)


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