忍法創世記  [必殺技辞典]

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 時は室町、足利義満の治世。天皇家が吉野の南朝・京の北朝にわかれて騒乱を繰り広げていた時代、隣国でありながらいがみあう人々がいた。大和の柳生一族と、伊賀の服部一族である。だが彼らは、この宿怨を終わらせるべく、柳生の三兄弟と服部の三姉妹を娶わせて合体しようとしていた。そのための儀式が両国の国境・月ヶ瀬で行われ、滞りなく両家合体が行われるかと思われたが、思いもよらぬ事件が舞い込んできた。
 後醍醐天皇の息子でありながら追放され、最後には謀殺された“大塔の宮”。そのひ孫たる“牢の姫宮”に仕える精鋭・大塔衆が、柳生に救援を求めてきたのだ。中条流剣法の祖・中条兵庫頭に率いられた彼らは、吉野の南朝から“三種の神器”を奪うため柳生に剣法を根付かせようとする。かたや伊賀のほうでは、南朝を裏切った楠木正儀の流れを汲む“菊水党”の精鋭が尋ねてきていた。南朝のために働くことを望む彼らは、能楽師・世阿弥の紹介で、“三種の神器”・強奪を防ぐための“忍法”を伊賀に根付かせようとする。
 こうして、否応無く戦いに巻き込まれることになった柳生三兄弟と服部三姉妹。凄絶にして奇怪な剣法と忍法の戦いの中で、彼らは如何なる物語を見せるのか?

作者・・・・・・・・・・・山田風太郎
連載・・・・・・・・・・・週刊文春
風太郎忍法帖小説の長編シリーズ最終作。シリーズでも飛びぬけて古い時代で、剣法と忍法の黎明期を描いている。引き裂かれた夫婦の、おかしくも悲しい戦いは一見の価値あり。
作者曰く「駄作」という理由で連載終了後も単行本化されなかったが、2001年に連載終了より30年の時を経て出版された。

おぼろ月 双羽など
忍法創世記
菊水党が伊賀に伝えた忍法のひとつ。相手の脳裏に、自分の裸の幻を見せる。食らった者は、その股間にある性器のあやしさに魅了され、まともに行動することができなくなる。
菊水党七人衆は自分で使えるのはもちろん、他人の意思に反して勝手に使用させることが出来る。 (ケケケさんより)

弓張月 環など
忍法創世記
菊水党が伊賀に伝えた忍法のひとつ。対峙した男性を、急激に射精させる。戦闘の真っ最中にこれをやられると、それに気をとられ集中力を欠くことになるだろう。(ケケケさんより)

伊賀の水月 柳生七兵衛
忍法創世記
菊水党が七兵衛に教えた(開発させた)忍法。己の精液を、一念ひとつで飛ばす。その飛距離たるや上方六尺にも達し、しかもはずすことがない。(ケケケさんより)

雷鳥抜羽の術 菊水党七人衆など
忍法創世記
菊水党が伊賀に伝えた忍法のひとつ。自分が着ている黒衣を、走りながら(脱がずに)裏返す。裏返った布地は枯れ草色になっており、草原に身を隠すことができる。雷鳥の毛が生え変わる様子が語源だろうと思われる。(ケケケさんより)

千早の破魔矢 菊水党七人衆など
忍法創世記
菊水党が伊賀に伝えた忍法のひとつ。腕を前に突き出して下に折り曲げ、その拳と歯の間に弦をはる。この状態で矢を放てば、人間を軽々と貫通する威力になる。(ケケケさんより)

蛇眼 阿波座監物
忍法創世記
菊水党七人衆のひとり・監物の忍法。忍法「おぼろ月」を発動した状態で、己の男根に蛇の眼のような光球を作り出す。この光は催眠術の効果を持ち、見た者を金縛りにしてしまう。(ケケケさんより)

女陰変 八葉寺隼人
忍法創世記
菊水党七人衆のひとり・隼人の忍法。股間に愛液を塗ることにより、己の陰茎・陰嚢を女性の女陰に変化させる。その様を見た相手は、通常の2倍はある女陰の妖しさに惑わされ、酔っ払ったように立ちすくんでしまう。(ケケケさんより)

死人剣の占い 牢の姫宮
忍法創世記
大塔衆の首領・牢姫の技。大塔衆に伝わる“牢の御剣”に自らの月水をたらすことで、隠されている事物や未来を占うことが出来る。彼女がたらした月水は剣に触れると緑の斑点になり、事物を読み取ることが出来る何らかの図形を描くのである。百泊百中の的中率を持つが、月の水が必要なため生理期間でしか使えない。また、使用には“牢の御剣”が死人の血で染まっていなければならない。(ケケケさんより)

半陰陽 猪丸塔五郎
忍法創世記
菊水党七人衆のひとり・塔五郎の忍法。仰向けになって人型に身をつけると、その型の通りの造型を自分の背面に生み出すことが出来る。すなわち、自分の裏側に別人の姿を持つ怪人になるのである。技名からして、女性の姿にしかなれないかもしれない。(ケケケさんより)

淫魔女精 阿波座監物
忍法創世記
菊水党七人衆のひとり・監物の忍法。対峙した男に肌や匂いなど、あらゆる女性の感覚を与える。自分の姿は一切変わらず、ただ相手だけに圧倒的な女性の存在感を与えるのである。この技を食らった男は、押し寄せる感覚に対応しきれずまともな行動が取れなくなる。(ケケケさんより)


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