時は江戸の元禄時代。殿中での刀傷沙汰がもとで取り潰された浅野家の遺臣たちは、その原因となった吉良上野介の命を虎視眈々と狙っていた。家老・大石内蔵助の筆頭とする彼ら赤穂浪士は、世間お隅に隠れながら無き主家への忠義を果たそうとしていたのだ。
一方、上杉十五万石の藩主・上杉綱憲は、父である上野介を巣食うため、彼の命を狙う赤穂浪士の暗殺を謀る。それを実行するのは、代々上杉家に仕えてきた忍者集団・能登組の精鋭十人衆。だが赤穂浪士暗殺が藩の名を貶めることを恐れる家老・千坂兵部は、赤穂浪士を守ると同時に彼らを堕落させ復讐心をすり減らせる策を立てる。そのために選ばれたのは、同じく能登組の精鋭・くノ一六人衆。そして彼女らを監視する伊賀忍者、恋人に裏切られてから「女と忠義」が嫌いになった奇怪な男・無明綱太郎である・・・・・・ 上杉綱憲、千坂兵部それぞれの意思と忠義の元に戦う忍者たち。亡君への忠義を守る赤穂浪士との三つ巴の争いの結末とは? そして、女嫌いの忍者・無明綱太郎は、この戦いに何を見出すのであろうか? 作者・・・・・・・・・・山田風太郎 連載・・・・・・・・・・週刊漫画サンデー 風太郎忍法帖長編シリーズのひとつ。日本人なら誰もが知っている『忠臣蔵』を原作とし、そのストーリーの裏側で暗躍する忍者の戦いを描く。主人公は無明綱太郎だが、彼よりもむしろ能登のくノ一たちと、彼女らに誘惑される赤穂浪士たちの描写が多い。 |
・忍法 浮船(浮寝鳥) | お弓 |
いうなれば物体に対して重さを感じさせない法。 たとえ駕籠に乗っていようとも、駕籠屋に一切重さを感じさせず 乗るといった芸当も可能。 能登忍者の間では浮船と呼ばれ、伊賀では浮寝鳥という。 |
・忍法血虫陣 | 浪打丈之進 |
自身が体内で飼っている大量の虫を操り、相手を取り囲むように円陣を作る。 この虫は相手の体に吸いつき、大量の血を噴出させる。 |
[1]忍法 蜘蛛の糸巻 [2] 忍法 鵞毛(がもう)落とし |
無明鋼太郎 |
[1]口から唾液でできた糸の網を吐き出す忍法。
糸は絹糸よりも細いが、物凄い粘着性がある。 [2]甲賀忍法。何百羽にもなる大量の水鳥が対象の付近で 飛びまわることによって、飛びまわることによって落ちる 水鳥の何千何万ともいう羽毛が旋風を作り、対象の視界をふさぎ、更には鼻や口をもふさぎ 息をつまらせる。 |
・忍法 歓喜(かんぎ)天 | お弓 |
能登クノ一忍法の1つ。 互いに思いあう二人が交わることによって、互いの姿を入れ替えてしまう。 (服などには変化がないので正確には2人とも変化してるともいえる) 元に戻るにはもう1度この忍法を使うしかない。 |
・忍法 一ノ胴 | 穴目銭十郎 |
体を鉛に変化させる忍法。 これによって相手の斬撃などを体で受けても防ぐことが可能。 |
・忍法 偕老同穴 | 鴉谷笑兵衛 |
海に住む綿のような姿をした海綿動物「偕老同穴」を操る忍法。 偕老同穴で人形を作り、水分を吸わせることによって 自身の姿とそっくりにみせることができる。 |
・忍法おんな灯心 | お琴 |
能登忍法のひとつ。術者と交わった男の体内に色欲の精を放ち、色欲に溺れきった色餓鬼に変える。一度この忍法に捕らえられた男は、まったく正気を失って術者を犯し続けることになる。(ケケケさんより) |
・忍法 魔羅蝋 | お桐 |
能登忍法のひとつ。交合した男の魔羅を自らの子宮とつなげて離れなくする。勃起現象を起こした男根の先端が、術者の子宮口の血管と繋がり血液を流すようになるのである。したがって、術者が死ねば繋がった男も死ぬ。また、この術で繋がっている男は、快感と気力の喪失をいつまでも味わい続けることになる。(ケケケさんより) |
・忍法 南北杖 | 万軍記 |
能登忍法のひとつ。異常な磁力を帯びている錫杖を地面に突き立て、相手の武器を吸い寄せて封じる。その磁力は、武器を持つ相手の体をも引っ張るほどの強さを持っている。(ケケケさんより) |
・忍法 金剛網 | 女坂半内、月ノ輪求馬、折壁弁之助、鍬形半之丞 |
四人で正方形を作るような陣形を作り、金剛網という鋼糸を張り巡らせる忍法。 この糸は人間を簡単に真っ二つにしてしまう。 使用することで寿命を三年縮めてしまうらしい。 |