忍者月影抄  [必殺技辞典]

TOPへ

 江戸時代、享保十九年。国中に倹約政策を進める八大将軍・徳川吉宗と、豪奢な放蕩を繰り返す尾張藩主・徳川宗春の関係は悪化の一途をたどっていた。八代将軍就任を争った因縁があるこの二人の争いは根深く、事態は抜き差しならぬものになりつつあったのだ。
 そんなある日、日本橋で三人の女性が裸で晒し者にされるという怪事件が起こる。これこそは、宗春の命を受けた尾張御土居下組の甲賀忍者七人と尾張柳生流剣士の精鋭七人衆の仕業であった。彼らは過去、吉宗が寵愛した多数の女性達を晒しものにすることで、現在はまじめな倹約家の態度をとっている吉宗に恥をかかせようとしているのだ。だが、この事態を憂いた吉宗と大岡越前は、公儀お庭番の伊賀忍者七人と江戸柳生流剣士の精鋭七人衆に命を下し、女性達の口封じを図る。
 吉宗と宗春、伊賀と甲賀、江戸柳生と尾張柳生。愛妾の生き残り七人を巡って、宿敵たちが忍法と剣法の入り混じった死闘を各地で繰り広げる。凄惨なるこの戦いの結末は、はて如何なるものになるのであろうか?


作者・・・・・・・・・山田風太郎
連載・・・・・・・・・講談倶楽部
風太郎忍法帖小説長編シリーズ第五弾。忍法と剣法のタッグマッチという異色な内容で、忍法自体もバラエティに富んでいる。基本的に主人公が不在で、連作短編のような流れになっているのも特徴。

忍法埋葬虫 一ノ目孤雁
忍者月影抄
公儀御庭番伊賀七人衆のひとり・孤雁の忍法。つぶれた片目の眼窩で飼っている大量の虫を操る。この虫は孤雁の命令で飛び立ち相手を刺しに行くが、真の効果は孤雁の死後に発揮される。虫たちは死んだ孤雁の体液を吸い、それを相手に注入することでその者を内から腐らせていくのである。(ケケケさんより)

忍法肌文字 尾張御土井下組
忍者月影抄
尾張徳川に仕える甲賀忍者が使う忍法。人差し指で相手の肌に触れると、その部分が変色して膨れ上がる。字を書くように触れれば、他人の肌に文章を書き残すことが出来るのである。吉宗を嘲笑するために、彼のかつての愛人たちの肌に「公方様御側妾棚ざらえ」という文字を刻み込んだ。
御土井下組甲賀七人衆は、全員が使用できるようだ。(ケケケさんより)

鏡地獄 樺伯典
忍者月影抄
公儀御庭番伊賀七人衆のひとり・伯典の忍法。雨を巨大な水鏡に見立て、蜃気楼のように景色を映し出す。景色は町を包み、内部の人間の方向感覚を狂わしてしまう。
また、鏡の中に入りこんで行動することも出来る。鏡の中に入った伯典が鏡に映ったものに手を加えると、実体の方も同じように変化する。
(ケケケさんより)

忍法日陰虫 鞍掛式部
忍者月影抄
尾張御土井下組甲賀七人衆のひとり・式部の忍法。皮膚の下に飼っている虫(毛嚢虫の一種)を操り、女性の体内に侵入させる。技を受けた女性は、その肉体を優しく愛撫されて理性を失い、終いには一匹の淫獣に変わってしまう。
男性相手には使えないが、虫を束ねて性器を引き千切る力を出すことも出来る。(ケケケさんより)

忍法銅拍子 城ヶ沢陣内
忍者月影抄
公儀御庭番伊賀七人衆のひとり・陣内の忍法。背中に背負った銅鉢(シンバル)を相手に投げつけて、敵を切り裂く。投げ方によってはブーメランのように戻すことも、相手の部分を切り取って運ぶことも出来る。(ケケケさんより)

波千鳥 砂子蔦十郎
忍者月影抄
公儀御庭番伊賀七人衆のひとり・蔦十郎が使うもうひとつの忍法。足元から冷気を発することで、水面を次々に凍らせて足場とする。この忍法を使えば、離れ小島までも歩いて渡ることが可能である。(ケケケさんより)

薄氷 砂子蔦十郎
忍者月影抄
公儀御庭番伊賀七人衆のひとり・蔦十郎の忍法。体から冷気を発し、触れたものをあっという間に凍結させる。その凍結スピードは凄まじく、わずか数秒で人間が凍死する。蔦十郎が使うもうひとつの忍法「波千鳥」は、この技の応用であると思われる。(ケケケさんより)

足三本 七溝呂兵衛
忍者月影抄
公儀御庭番伊賀七人衆のひとり・呂兵衛の忍法。肛門から腸を引っ張り出し、随意筋のように自在に操る。日本人の腸は10m近くあるのだが、彼はそれを巧みに操って、相手の首を絞めたり出来るのである。(ケケケさんより)

足八本 七溝呂兵衛
忍者月影抄
公儀御庭番伊賀七人衆のひとり・呂兵衛の忍法。捕らえられた部分の体を食いちぎり、戒めから脱出する。まるでタコが自分の足を食らうがごとく、手足を噛み千切って手錠などから脱出するのである。(ケケケさんより)

夢若衆 壇宗綱
忍者月影抄
尾張御土井下組甲賀七人衆のひとり・宗綱の忍法。相手と自分の夢を同調させ、その相手の夢の中に出現する。夢に出た宗綱はその相手を誘惑して操り、自分の思い通りに動く傀儡としてしまう。また、夢の中の苦痛は現実と変わりないため、殺される苦しみを無限に与えることも可能である。
この忍法を使用するには、相手と自分が同時に夢を見なければならない。また、相手と自分がお互いに見知っているという条件もある。ただし後者の条件は、「別人の夢の中に登場した目標の人物」と顔を合わせることでクリアできる。(ケケケさんより)

髪飛脚 百沢志摩
忍者月影抄
公儀御庭番伊賀七人衆のひとり・志摩の忍法。女性の陰毛を使って作った糸で、糸電話のごとく遠隔地の仲間と会話する。糸の振動を変えることにより、様々な情報を伝達することが出来るのである。
糸は先端を志摩が持っていなければならず、情報収集のためには敵地に潜入する必要がある。そのため彼は、全身の骨を折り畳んで肉塊となる忍法も会得している。(ケケケさんより)

赤不動 不破梵天丸
忍者月影抄
尾張御土井下組甲賀七人衆のひとり・梵天丸の忍法。両腕を瞬時に発熱させ,数千度もの高温を発する。その威力は凄まじく、千両箱を燃やし人間を軽々と焼き殺す。なぜか本人の体組織には影響しない。(ケケケさんより)

忍法女人花 真壁右京
忍者月影抄
公儀御庭番伊賀七人衆のひとり・右京の忍法。体液で培養している顕花植物の胞子を女性の女陰部に落とし、花粉を巻きちらす花を咲かせる。この花粉を浴びた者は浴びた者同士で愛し合い、やがては感極まって心中してしまう。花の成長スピードは異常に速く、息を10回する間に育ちきる。(ケケケさんより)

忍法蝋涙鬼 水無瀬竜斎
忍者月影抄
尾張御土井下組甲賀七人衆のひとり・竜斎の忍法。己が意思により、全身の皮膚・筋肉・内臓・骨の組織を溶けた蝋のように変えてしまう。相手の攻撃を変形して無効化したり、ムチのようにしならせた腕で攻撃をすることが出来る。
さらに竜斎は、自分の血と相手の血を入れ替えることで人格を入れ替える忍法も体得している。(ケケケさんより)

万華蝶 御堂雪千代
忍者月影抄
尾張御土井下組甲賀七人衆のひとり・雪千代の忍法。彼が花びらをちぎってばら撒くと、たちまちの内に蝶に変化する。この蝶は様々な色をしており、相手の顔面に張り付いて呼吸や視界を封じてしまう。
雪千代は他にも、ドリルのように回転しながら地面にもぐる忍法を体得している。(ケケケさんより)

肋一寸 柳生連也斎
忍者月影抄
尾張柳生秘伝の技。自分の肋一寸を技と斬らせ、反撃の一撃で敵の死命を制する。柳生宗冬との御前試合で使用し、見事に倒してのけた。(ケケケさんより)

月影 柳生流剣士
忍者月影抄
柳生新陰流の技のひとつ。描写が少ないので詳しくは不明だが、相手の腕を真っ二つにした。 (ケケケさんより)

浦波 柳生流剣士
忍者月影抄
柳生新陰流の技のひとつ。大波がうちよせるような勢いで、相手の鎖骨から左肺を切り下げる。 (ケケケさんより)

浮船 柳生流剣士
忍者月影抄
柳生新陰流の技のひとつ。持っている刀を手裏剣のように投げつける。 (ケケケさんより)

疾風 柳生流剣士
忍者月影抄
柳生新陰流の技のひとつ。説明はほとんど無いが、凄まじい勢いで抜刀して切りかかる技らしい。(ケケケさんより)


TOPへ