メタルうぃっちシスターズ  [必殺技辞典]

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著者:ひびき遊
イラスト:狐印
レーベル:ソフトバンクGA文庫


どこにでもいるようないたって普通の高校生・如月龍人は、ある日突然目の前に現れた赤い髪の少女・皇虎によって西暦5012年の地球へと無理矢理誘われる。
そこは度重なる世界大戦の末に人類ほぼ全てが死滅し、たった四人の少女しか存在しない、人類滅亡がほぼ確定した未来であった。
彼女らに今だ見ぬ魔法の才能を見込まれて協力することとなった龍人は、彼女らとの慌ただしい交流を交えながら、彼女らと共に人類滅亡の未来を改変するため、そしてその原因となった生命体・魔宝獣を倒すために行動することとなるのだった。
そして、彼らの前に「ビスマス」を名乗る謎の人物が出現した時、歴史は人類滅亡の未来へと確実に動き出す――

「天華無敵!」(富士見書房 刊)でデビューした著者・ひびき遊が贈る、SFラブコメディ作品。
現代人と未来人が出会い、滅亡の未来を回避するために行動するという時間移動をテーマにした作品の王道に、ファンタジー物でお馴染みの魔法や今時のライトノベルなどでよく見られるラブコメ等の要素を加えた作品に仕上がっている。
ファンタジーでよく見られる「魔法」という技術、そして時間移動物で特に重要視される「タイムパラドックス」と呼ばれる現象の二つが中核に据えられており、特にタイムパラドックスは作中登場人物の行動目的や結果等、物語の全般において重要な役割を果たしている。


【既刊情報】
・メタルうぃっちシスターズ(2008年1月15日発売)
・メタルうぃっちシスターズ2(2008年4月15日発売)
・メタルうぃっちシスターズ3(2008年7月15日発売)
・メタルうぃっちシスターズ4(2008年11月15日発売)
    【用語解説】
  • 『魔宝獣(デーモン)』

  • 歴史上のある時代を境に地上で活動を開始した謎の生命体。
    身体の構成要素のほぼ全てを魔力と捕食した無機物で構成した生命体であり、体内には中枢核である宝核(ジュエル)を有し、個体ごとに異なる魔力性質を持つ。この魔力性質は魔宝獣の本質と同義であり、同時に魔宝獣の「個」を為す重要な要素となっている。人間との直接的な意思疎通はほぼ不可能だが、比較的高度な精神構造を持っていることが1巻末〜2巻冒頭にて判明している。
    ただし生命活動における物質面での依存が非常に低く、物質的な身体部位に外傷を受けても修復が容易であるため質量兵器による身体部位へのダメージが非常に少ないという利点を持つが、代わりに魔力の干渉によって生命活動に直接的な被害が及ぶという致命的な欠点も存在する(中には自分以外の魔力を持った存在が周囲に存在するだけで死に至るケースも存在する)
    元はビスマスが自身の目的の為に創り出した(厳密には一から創り出した訳ではないが)人工生命体であり、自然界で自然発生した生命体ではない。
    なお、中世の錬金術においては「ホムンクルス」と呼称される。

  • 『機甲法衣(ドレス)』

  • 魔力の存在が科学的に立証された遠未来にて造られた可動式魔力増幅器のこと。
    魔力増幅器本体兼操縦席及び動作を統括する中枢制御機構と生物の身体部位を模したような頭部・腕部・脚部、及びそれらに接続されたセンサー類、飛翔機関、武装類等で構成されている。
    作中で登場人物達が使用する機体は人型から少し外れたものが多いが、記録映像に登場した機体を見る限りは人型のものが多いようなので、全体的に見れば人型をした機体が大半を占めているものと思われる。
    操縦方法は基本的に脳波感知による精神感応方式であり、操縦するだけならば魔力を持たない人間でも十分可能。

  • 『アニメロボットフェスティバル』

  • 作中で登場するロボットアニメの祭典の一つ。
    会場は東京お台場にある「ビッグサイト」という施設だった。
    作中登場は2巻で、未来で見つかった新聞記事に書かれていた龍人の死亡場所でもある。

  • 『ゼロ・スタンピード』

  • 本来は西暦4000年前後に発生した魔宝獣大量発生の発生地点と目される場所及び時刻帯の総称。ビスマスの精神面から入手した情報によって、最終的に特定の時間軸・場所に絞られることとなった。

通訳魔法 アリューシャ
メタルうぃっちシスターズ
“音使い(ハウリングシンガー)”の能力を持つアリューシャが使用する魔法の一つ。
音を自在に操る能力で対象に自動翻訳能力を与える魔法であり、対象に届く全ての言語を対象が知っている特定の言語に自動変換させる。(クウガもどきさんより)

魔法略奪(ディプライヴ) 如月龍人
メタルうぃっちシスターズ
“魔宝獣使い(デーモンマスター)”の能力を持つ如月龍人の魔法の本質。
対象物の魔力が持つ固有効果を基礎部分から根こそぎ吸収し、自らの魔法とする魔法である。
一巻より登場した龍人の魔法「魔宝獣支配(サーヴァント)」はこの魔法の発現形態の一種であり、魔宝獣(デーモン)の身体構造を構成する固有魔力を吸収・掌握することで対象となった魔宝獣の支配を可能としている。
現代の如月龍人は最後まで機甲法衣(ドレス)無しに使用することはなかった(作中で対象となったのが、明らかに個人では魔力増幅等の補助無しに制御不可能なビスマスの空間制御魔法だけだったため)が、如月龍人の未来の可能性の一つであるビスマスは使用時の時点で機甲法衣「モノケロス」がほぼ消滅していたため、機甲法衣無しの状態でモノケロス同様、時間軸の修正により消滅しつつある皇虎の“時間使い(スピードクイーン)”の能力を吸収している。(クウガもどきさんより)

空間固定(フリーズ) 如月龍人(ビスマス)
メタルうぃっちシスターズ
如月龍人の未来の可能性の一つ「ビスマス」が使用した魔法。作中初登場は最終巻。
複数種の魔法効果を利用して空間の捻れを作り出し、その捻れで絡め取ることにより対象物をその空間座標軸上に拘束する魔法である。実際の視覚上では無数の光の輪が対象物を文字通りぐるぐる巻きにしているような状態に見える。
なお、この魔法の影響下においてビスマスの魔力の所持量を下回る対象が魔法を使うことはほぼ不可能となっている(魔法詠唱後の魔法効果が発生する際、空間上に発生させないようにしているためと思われる)(クウガもどきさんより)

時流遅延(スロウ) 皇虎
メタルうぃっちシスターズ
“時間使い(スピードクイーン)”の能力を持つ皇虎の使用する魔法の一つ。
対象の時間の流れに干渉し、その時間の流れを遅くすることで相手の動きを束縛する魔法である。(クウガもどきさんより)

影蛇鞭(スネークウィップ) クロム
メタルうぃっちシスターズ
“影使い(ダークダンサー)”の能力を持つクロムが使用する魔法の一つ。
影から漆黒の鞭が現出し、自立行動する影の鞭が自在に相手を攻撃したり束縛したりする。(クウガもどきさんより)

魔法緩和(カット) ファルハ
メタルうぃっちシスターズ
中世の錬金術の研究成果の中に存在した、魔法に相当する技術の一つ。
効果範囲内に発生した魔法の効果を中和する効果を持っており、発生する効果だけならばレイの持つ魔法中和能力の劣化版ともいえる代物である。
作中初登場は3巻。作中では米国がスポンサーの立場にある組織「none」が用意した偽装タンカーに描かれた、多重構造の魔方陣によって大幅に増幅されており、機甲法衣(ドレス)の増幅付きで使用された魔法をも打ち消した。(クウガもどきさんより)

魔法中和(キャンセル) レイ
メタルうぃっちシスターズ
魔宝獣(デーモン)の一体である「無効化の魔宝獣(キャンセラー)」の使用する能力。
発現形態を見る限りでは一定範囲内の魔法を中和・無力化しているように見えるためこの能力名(使用者の個体名含む)が付けられているが、実際の効果は「周囲一定範囲内において何らかの魔法が発生した場合、物質を本体とする生命体の所持する固有魔力を除く全ての魔力を吸収し、自身の中枢核内部に蓄積させる」という効果を持つ能力である。
人間のように有機物質を本体とし、魔力は単なる付加価値に過ぎない生命体にとって生命そのものに害を与える能力ではないが、固有魔力そのものを本体とし、物質的な肉体が無機物で構成された使い捨ての器に過ぎない存在「魔宝獣(デーモン)」との戦闘においては多大な効果を持っている。そのため、本体である固有魔力そのものが内封された相手の核部分に直撃させれば魔宝獣を文字通り消滅させることも可能。
初登場は1巻。その能力は魔力による身体機能・機体機能の増幅や魔術攻撃を容易に打ち消すため、皇虎たちは非常に苦戦を強いられることとなった。

元々「無効化の魔宝獣(キャンセラー)」はビスマス(如月龍人の未来の可能性の一つ)が、魔宝獣(デーモン)の母体となる魔宝王(サタン)とするために進化の方向性を制御して生み出された存在であった。
作中のように魔宝王が無数の魔宝獣を生み出す場合、それだけの数の魔宝獣の本体を構成する固有魔力の生成には、一個体が自然に得られないほどの膨大な魔力が必要となる。ゆえにこの「魔法中和(キャンセル)」の能力はその不足分を補うのに必要不可欠な「自分自身ではない存在が所持する魔力」を得る手段として、人為的に用意されている(もしも外部からの関与が無かった場合、自然界においてこのような能力が自然発生する可能性があるかどうかは不明だが、物質の循環の観点から見てこのような能力が自然発生する可能性は低いと思われる) (クウガもどきさんより)

時空転移(リープ) 皇虎、ビスマス(如月龍人)
メタルうぃっちシスターズ
“時間使い(スピードクイーン)”の能力を持つ皇虎の使用する魔法の一つ。
一言で言えばタイムマシンのような魔法で、時間の流れに干渉して目的の時間軸・場所へと転移する。
ただし、転移前と転移後の時間の差が大きくなればなるほど必要となる魔力も増大する。また「同一時間軸に同一存在を重複させることは出来ない(重複した場合は存在としてはより不安定な、未来の存在から消滅する)」という制約が存在するため、転移する対象がその時間軸上に存在しない場所にしか転移できない。つまり、一度行ったことのある時間軸には過去の自分が存在する為に転移できない(何らかの方法で双方の存在が時空間的に隔離されている場合は除く)
作中初登場は一巻。本来は皇虎の魔法だが、魔法略奪(ディプライヴ)の魔法によって皇虎の能力を得た龍人(ビスマス)も使用する。ちなみに作中で機甲法衣(ドレス)無しにこの魔法を使用したのはビスマスとなった龍人の可能性存在のみである。 (クウガもどきさんより)


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