[必殺技辞典]

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江戸時代、かの黒船が来航した翌年。時の将軍・徳川家定は虚弱体質であり、およそ性欲というものが存在しなかった。世継ぎの不在による幕府の混乱を恐れる大老・阿部伊勢守は、将軍の治療を江戸城典医の多紀法印に相談しとある書物を紹介される。それこそは“医心方房内編”。平安時代に書かれた医術本・蔵書全30巻の内、性に関することをまとめた部分である。だがその本は、多紀家とは不倶戴天の敵同士である皇室典医の中半家が守る秘宝であった。
将軍治癒のため手段を選ばない伊勢守は、書物の強奪を決意。自らの子飼いである甲賀のくノ一七人を送り込む。だが、そのことを知った中半家は、京の実力者・青連の宮より借り受けた忍者集団“伊賀七人衆”に守りを託すのだった。
一方時を同じくして、この奇妙な争奪戦に挟まれ引き裂かれた一組の恋人たちがいた。多紀家の血を継ぐ青年・丹波陽馬と、中半家の跡取り娘・雪羽である。家の命を受けた二人は、それぞれの忍者を率いる宰領として、その想いをよそに戦いを余儀なくされたのだ。
天下の奇書を巡り、北国道で繰り広げられる戦い。引き裂かれた恋人たちと、超絶の術を操る忍者たちの戦いは、さてどのような結末を見せるのか・・・・・!?

作者・・・・・・山田風太郎
風太郎忍法帖長編シリーズのひとつ。忍法争いに混じって、医心方に書かれた男女の性交法がこれでもかという勢いで描写されている。

忍法 指姦(しかん) 麻打助十郎
秘戯書争奪
伊賀忍法のひとつ。その指で女の肌を艶かしくなでまわすと、その部分がある種の感覚細胞に変化し、耐えられぬほどの快感を感じるようになる。助十郎はこの術を使うため、いつも指の爪を綺麗に切りそろえている。 (ケケケさんより)

忍法 陰ノ網(いんのあみ) 麻打助十郎
秘戯書争奪
伊賀忍法のひとつ。懐からほとばしらせた網で相手を捕えて動きを封じる。この網は数百人にもおよぶ男女の陰毛でできており、一度虜なったものはもがくことすらできずに縛り上げられてしまう。 (ケケケさんより)

忍法くノ一血膠 お藍
秘戯書争奪
甲賀忍法のひとつ。お藍の血液はゼラチン質のごとき柔らかさと、膠のような粘着性を持っており、それを物体にくっつければ恐るべき接着剤となる。その威力は人間の肌がくっつけば、皮を破りでもしない限り脱出不可能になるほどである。 (ケケケさんより)

忍法 皮つるみ お琴
秘戯書争奪
甲賀忍法のひとつ。手足の指をはじめ脇の下や脹脛の間など、二つの部分が接触するありとあらゆる場所に相手の肉体を挟むことでその部分を硬直させる。それにより相手の動きを封じ、戦闘力を大幅に削ることができる。一種の吸盤なのだが痛みは全く無く、むしろ快感を感じるのが特徴。 (ケケケさんより)

忍法 紅涙鏡(こうるいきょう) お篠
秘戯書争奪
甲賀忍法のひとつ。真珠のように溜まった涙を相手の眼中に入れることで、その目に写る全ての像を鏡写しにする。すなわちこの術をかけられたものは、右の物が左に見え左の物は右に見えてしまい混乱をきたすのだ。 (ケケケさんより)

飛び鍔 お筆
秘戯書争奪
特製の刀を使っての技。その刀を振るうと、剃刀のように研ぎ澄まされた鍔が飛んでいき敵を切り裂く。お筆はその後、間髪入れず追い討ちをかけて相手に止めを刺すのだ。 (ケケケさんより)

忍法ながれ鞠 お茅
秘戯書争奪
甲賀忍法のひとつ。懐から取り出した2個の鞠を足に吸着させると、まるでローラースケートのごとく高速移動することができる。鞠に乗ったまま宙をはね、身軽に飛びまわることも可能。(ケケケさんより)

伊賀の手刀槍(しゅとうそう) 釜戸朱膳
秘戯書争奪
伊賀忍法のひとつ。見た目は何の変哲も無い指をふるい、刀や槍のような威力を発揮する。その威力たるや刀を軽がるとへし折り、人間にたやすく穴を開ける。 (ケケケさんより)

忍法 通鬼交 木ノ目軍記
秘戯書争奪
医心方房内編第二十五「断鬼交」を応用した忍法。自らが眠りに入り夢を見ると同時に、対象となる女性にも同じ夢を見させる。そして術者と女性との夢が重なると、二人が同じ夢を見る。その中で術者が女性を犯すと、その女性は目が覚めた後も夢現の状態となり術者に操られるようになる。ちなみに断鬼交とは、「相手がいないのに夢想の中で男と交わる女性の病気を治療する方法」のことである。 (ケケケさんより)

双脚白刃取り 烏頭坂天八
秘戯書争奪
超人的体術を生かした技のひとつ。背中を下にして転がった状態で、上から振るわれる剣を足で白刃取りする。必殺の逆さ斬りの弱点となる上部からの攻撃を防ぐために編み出した。 技の秘密は吸盤と化しさらに視覚能力も得た足の裏にある。(ケケケさんより)

忍法 逆さ斬り 烏頭坂天八
秘戯書争奪
伊賀忍法のひとつ。左手の親指一本で逆立ちし、そのまま回転した勢いで相手を地面から斬り上げる。死角となる足元からの奇襲の威力は絶大なものがある。 (ケケケさんより)

背中斬り 山寺杏兵衛
秘戯書争奪
忍法浦波の本領ともいうべき必殺の技。杏兵衛は背後に眼があるかのごとく、後ろ向きのままで自由自在に動き戦うことができる。彼が背中を向けたまま剣を持てば、相手は虚をつかれ成す術の無いまま倒されるだろう。(ケケケさんより)

忍法浦波(うらなみ) 山寺杏兵衛
秘戯書争奪
伊賀忍法のひとつ。背中の筋肉を自由自在に動かし、様々な動作を可能とする。その動きは精妙きわまり、豆を掴むことさえできる。杏兵衛はこの術を持って女に異様な刺激を与えて虜とすることができるのだ。 (ケケケさんより)


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