異常気象による旱魃に苦しむタイ。その国に、仏を厚く敬う少年コチャンがいた。だがある日、三人組の泥棒が仏像を盗む場面を目撃、果敢にも取り返そうとするコチャンだったが、彼らによって無残な死を遂げてしまう。
そんなコチャンの勇気に感動した“ウルトラの母”は、彼をウルトラの国に呼び寄せる。そこでコチャンはタイに伝わる伝説の英雄・風神の息子“白猿ハヌマーン”に生まれ変わった。タイと仏を守るために戦うハヌマーンは、仏像を盗んだ泥棒たちに仏罰を与え、太陽を説得して異常気象を鎮めることに成功するのだった。
だが時を同じくして、人工降雨実験の失敗により眠りから覚めた“怪獣軍団”が出現し、タイを荒らし始める。これを迎え撃つハヌマーン。彼を支援するべくウルトラ6兄弟も駆けつけ、今ここに壮絶なる戦いの幕が切って落とされた！
1974年、円谷プロとタイのチャイヨー・プロダクションが製作した映画。撮影はタイ、出演者も全てタイ人で日本の特撮には無い独特なムードが特徴。また。タイで人気のある猿神ハヌマーンが実質の主役で、ウルトラ兄弟は脇役に徹している。日本とタイの文化の違いということもあり、日本人が見ると残酷すぎだったり首をかしげるシーンも少なくないが、かなり力の入った特撮シーンはそれだけでも見所がある。
なお作品製作後には、円谷プロとチャイヨープロとの間に権利関係を巡るトラブルが生じているため、現在では映像の入手がかなり困難である。
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