原作著者:壱乗寺かるた イラスト:日吉丸晃 漫画版著者:日吉丸晃 出版レーベル: 富士見ミステリー文庫(原作1〜7巻、番外編1巻) 富士見ファンタジア文庫(原作8巻以降) 何の変哲も無い田舎の高校に通う少年・藤倉冬麻の日常は、転校生の出現によって終わりを告げた。 朝のホームルームでの美少女転校生の自己紹介の最中に、当の転校生によって誘拐された冬麻は日本でも有名な全寮制の新設私立学校「御城学園」へと強制的に編入させられる。 中高一貫教育を行うこの学校では「トップ3」と呼ばれる各学年から3名ずつ選ばれた生徒が存在し、「パートナー」と呼ばれる校内から選ばれた異性が護衛に付くという制度があり、何故か冬麻は気絶している間にその「トップ3」の一人に選ばれていた―― 冬麻のパートナーとなった外見的には小学生な少女「長峰泉」や彼女の兄にして多彩な知性にあふれた第十二期トップ3の一人「長峰亮平」、冬麻を誘拐した張本人にして御城学園を運営する巫城グループの令嬢「巫城都」とそのパートナー「真霜八千代」、クラスメイトにして冬麻の世代(第十三期)のトップ3の一人「秋月春太」とそのパートナーの「筧カンナ」、そして彼らを取り巻く人々との出会いや冬麻自身の隠し持つ真霜の異能の力の因果によって冬麻は陰謀渦巻く運命の渦へと引き込まれていくのだった…… 壱乗寺かるた氏のデビュー作であり、本書著者の代表作として知られる作品。 第3回(2003年度)富士見ヤングミステリー大賞・井上雅彦賞受賞作であり、受賞時のタイトルは『死には偽物の救いを』 主人公・藤倉冬麻を中心とした登場人物たちの人間関係の描写がこの作品の最大の見所であるが、いつの間にか男性主人公である藤倉冬麻の人気がヒロイン的な意味で他の女性登場人物の人気を圧倒するというこの手の作品では珍しい現象が起こっている。また同時に著者をもいわゆる「萌え」の対象として認識されており、これまた作中に登場する女性キャラを上回る人気を得ていることもこの作品の特徴である。 富士見書房内での富士見ミステリー文庫の規模縮小に伴い、富士見ファンタジア文庫に移籍。その結果本編第8巻よりタイトルが「放課後トロイメライ」に変更され、シリーズ番号も新しく1巻から始まることとなった。 なお、受賞時の作品「死には偽物の救いを」には現在のさよならトロイメライシリーズとは異なり殺人描写(一巻あとがきではポルノグラフティ描写という間接表現で記述されている)などの描写が多かったために、出版上の理由から大幅に改訂していることはファンの間では有名である。 ちなみに、その一件が根拠となって読者の間では放課後トロイメライ2巻の発売が遅れているのは予告やあとがきに書かれていたような殺人描写の解禁のために出版社側から差し戻されているのが原因ではないかと噂されている。 【既刊情報】 [本編シリーズ] ・さよならトロイメライ(2004年1月10日発売) ・さよならトロイメライ2 かんむり座の約束(2004年5月10日発売) ・さよならトロイメライ3 幻想リプレイ(2004年9月10日発売) ・さよならトロイメライ4 追想の和音(コード)(2005年5月10日発売) ・さよならトロイメライ5 ノエル・アンサンブル(2005年12月10日発売) ・さよならトロイメライ6 恋人のためのエチュード(2006年3月10日発売) ・さよならトロイメライ7 想いの輪舞曲(ロンド)(2006年12月9日発売) ・放課後トロイメライ(2008年6月20日発売) [番外編] ・さよならトロイメライ―Novellette―(2004年12月20日発売) 【関連作品】 ・待ってて、藤森くん!シリーズ 【用語解説】 私立御城学園が創立時から導入している独自制度の一つ。 一つの学年から三人の生徒が選ばれ、S寮と呼ばれるトップ3専用高級寮の一室と「パートナー」と呼ばれる専属の護衛が用意される。 一般の生徒たちの間ではその学年の成績優秀者が選ばれるといわれているが、実際は真霜家のような特殊な能力を持つ生徒や社会上特殊な立場にある生徒、強いトラウマなどを持つ生徒等の精神安定維持及び監視するための仕組みであり、「選ばれた生徒」とすることで一部の生徒を隔離しているという事実を故意に伏せているだけである。 旧華族の血統に連なる九樹宮家の長男「九樹宮蒼(くきみや・そう)」が抱える私兵四人のこと。 九樹宮蒼の思惑を実行に移す実働部隊であり、四人が四人ともおのおの個別の分野で非常に高い能力を持っている。各構成員の氏名はそれぞれ「華柴青(かしば・せい)」「榊みどり(さかき・−)」「澤神楽赤人(さわかぐら・あかひと)」「矢原黄桜(やはら・きざくら)」 |
[1]阿久沢パンチ [2]阿久沢キック [3]阿久沢式ジェットストリームアタック |
阿久沢 優 |
[1]この技をくらった藤倉 冬麻は、くらった瞬間視界に火花が走り、体が重力を無視して跳ね上がり、しばしの浮遊感ののち地面に激突、勢いのまま視界が三回転した。おそらくただのパンチである。この人の能力は全体的に高い傾向がある。(阿久沢さんは、生身で校舎の五階の窓から飛び降りたりできます。)(クウガもどきさんより) [2]「さよならトロイメライ(3) 幻想リプレイ」作中の文化祭で使われた阿久沢の新技その1。単なるキックなのだが、威力が尋常ではない。女性のような体格から放たれるキックは、大の男(柿崎 真の手下)が一撃で空高く舞うほどである。(クウガもどきさんより) [3]「さよならトロイメライ(3) 幻想リプレイ」作中の文化祭で使われた阿久沢の新技その2。右肩に軽々と担いだ三人の人間(柿崎 真の手下)を対象に対してありえない速度で投げつけ、対象を沈める。投げられる人間(合計3人)の飛んでくる間隔に少しタイムラグがあり、そのタイムラグによって2撃目・3撃目が1撃目の陰に隠れ、さらに注意が1撃目に向かってしまうために2・3撃目への注意が少しおろそかになる、それがフェイントとなって攻撃の命中率を上げている。しかも投げられた人間は重力を受け付けず、水平に目標目掛けて飛んでいきます・・・・・。この攻撃でその辺にいたカップル風の2人(これまた柿崎 真の手下)が犠牲になった。 元ネタはもちろん機動戦士ガンダムに出てきた黒い三連星の必殺戦法「ジェットストリームアタック」である。(クウガもどきさんより) |
・デビルバットハリケーン | 長峰泉 |
木下の妨害を突破して藤倉冬麻に抱きつく一連の動きに対して冬麻のクラスメイトの誰かが名付けた技名。 作中では著作権的な諸事情?から詳細は書かれていないが、名付け親やその回りの反応から動き自体は元ネタの動きを忠実に再現していたものと思われる。 言うまでもないが、元ネタは集英社より発売している漫画『アイシールド21』にて主人公の小早川セナが使用する同名の技術。(クウガもどきさんより) |
・奥義、ファイアクラッカー | 矢原黄桜 |
九樹宮蒼の私兵『四式』の一人、“時計仕掛け(クロックワークス)”矢原黄桜が使用した技。 能動に入ると同時に靴に仕込まれた大量の爆竹を上空へと打ち上げ、その後宣言と同時に手に持った爆竹を上空へと放り投げる。この時上空へと上げられた爆竹は時間差を伴って相手を誘導するように対象を爆撃する。ちなみに爆撃のタイミングは打ち上げ時の打ち上げ角度・時間等でほぼ秒単位まで細かく合わせることが可能である。 初登場は7巻。立ちはだかった御厨柊と坂嶋花子に対して使用し、彼女らが仕掛けた罠で自滅するよう仕向けた。(クウガもどきさんより) |
・音物・彩煙雷 | 矢原黄桜 |
九樹宮蒼の私兵・四式『黄』に属する、”時計仕掛け(クロックワークス)”こと黄桜が使用した技? 右足を前に出し、履いている靴の側面に指を走らせた後、中空に弧を描くように人差し指を動かした後に空中で3回の破裂音と白い白煙が残るという記述から、おそらく靴に仕掛けられた暗器系の爆発物の一種であると思われる。 名称が登場したのは6巻だが、爆発の様子を見る限り5巻にて春太が最初に蹴り返した攻撃と同一種のものだと思われる。(クウガもどきさんより) |
・小割物・桜雷 | 矢原黄桜 |
九樹宮蒼の私兵・四式『黄』に属する、”時計仕掛け(クロックワークス)”こと黄桜が使用した技? 名称初登場時は直径約1メートルの金ダライをこれによって起こる爆発のみで操っていたことから、おそらく爆発時の爆風によって攻撃するように特化した暗器系の爆発物だと思われる。なお、直後の「閃光万雷」の掛け声はこの技を連射することを示しているのだろうか。(クウガもどきさんより) |
・D棟流ジェットストリームアタック | 剣道着の男子生徒(加藤)+柔道着の男子生徒+学生服の男子生徒 |
第5巻「ノエル・アンサンブル」のクリスマスイベントでとある3人の男子生徒が披露した必殺戦術? 内容は特に戦術が存在しておらず、ただ個別に攻撃しているだけのようである。とりあえず、去年の同イベントで阿久沢さんの行った規格外の行動に対する不満が強く込められていることが最大の特徴と言える……(クウガもどきさんより) |