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江戸時代の大探検家・間宮林蔵が、服部半蔵率いる伊賀屋敷を訪れた。公儀隠密としての顔を持つ彼は、近年不穏な動きを見せる南部・八戸藩を調査する人材を求めているのだ。それを受けて半蔵みずから選び出したのは、春画売りに成りすました鶴坂疹五郎、水無月民部、篠縫之介の三人。果たして、徹底した軍国主義・優生学思想・秘密主義で固めた八戸藩に対し、春画を武器とする三人はどのように立ち向かうのか？
山田風太郎・忍法帖小説短編のひとつ。「オール読物」72年3月号に掲載された。 |
| ・夢の浮橋 | 水無月民部 |
| 公儀隠密の伊賀忍者・民部の忍法。自らの男根を描き精液を塗った浮世絵を女性に見せ、その女性を夢遊病のように操る。女性は夢と現の間にありながら民部の元を訪れ、彼の好きにもてあぞばれることになる。
本来この忍法は、民部の同僚である篠縫之介が書いた｢目指す女性の顔が書かれた絵｣を使わなければならない。しかし、八戸藩に潜入した時は自分の念力だけで使用している。 (ケケケさんより) | |