時は大正12年、京都の北方に位置する愛宕山。人々の信仰を多く集めるこの地には、風を操りあらゆるものの気を読むとされる”天狗一族”が住んでいた。彼らは先祖代々受け継がれた能力を磨きながら、平和な日々を送っていたのである。だが、そんな一族のひとりである少年「疾風」は、なぜか生まれながらにまったく能力を使えない。それゆえに彼は孤立し、己の行き方を決めかねていたのであった。
ある日、一族の守り本尊である”石妖神”を町の神社に奉納するため、その護衛役として疾風が選ばれた。新たな世界を見るべく下界に降りた彼はそこで、神社の娘・美命と不思議な出会いを果たした。それと同時に、石妖神を狙う謎の集団が彼らに襲い掛かる。その戦いの中で疾風は、己が力の秘密を知ることになるのであった・・・・・・ 作者・・・・・・・・松葉博 連載・・・・・・・・月刊少年ガンガン 単行本・・・・・・全2巻 大正時代を舞台にした格闘アクション漫画。同作者の「天満の風」と裏設定で繋がっており、人物や技名などに共通点が見られる。 ●降魔 称号みたいなもの。天狗一族の伝承では「感情を持たない子」は「魔性」を己が「能力」として取り込み「降魔」となって一族に仇なす。と、言われている。したがって、本名不明。「魔性の子」であり、力において「別格」なので別記した。 |
・神天流"風刃の法"奥義 天波乱曲 | 降魔 |
敵を中心に”風をまく”ことで竜巻状の風の檻を作り出し、中の敵を切り裂く。 (権兵衛さんより) |
・邪眼 | 紫鬼晢邏、紫鬼、美加など |
鬼一族の証たる能力。名前は同じだが『天満の風』と『疾風の天』では内容がだいぶ違う。 ○天馬の風 その瞳でにらみつけた相手の動きを一瞬止めて無防備な状態にする。 雷童も使えるようだが、拳で戦うこだわりのため使用しなかった。 作中では未使用だが物を見通す力もあるらしい。 ○疾風の天 空間に干渉する”能力”。磁場を狂わし相手の動きを封じる(圧力で沈める)。 空間を歪めて心臓に直接圧力を加えて潰すことも出来る。 その威力は『天馬の風』のものとは比較にならない(権兵衛さん、ケケケさんより) |
・魂炎 | 火焦 |
増強した筋力の運動と激流する血液が発する”熱”を空気中の酸素との摩擦によって体内の”燐”に引火させる。 (権兵衛さんより) |
[1]神天流"風刃の法" 風破 [2]神天流"風刃の法" 風破絶空 [3]神天流"風刃の法" 風裂 [4]神天流"風刃の法" 烈空 [5]神天流"風刃の法" 天破疾風 [6]神天流"狗打の法" 逆背身落とし [7]神天流"狗打の法" 呼打真 [8]神天流"狗打の法" 荷車落とし [9]神天流"狗打の法"雷絞礫落し [10]神天流"気脈の法 |
疾風、天狗一族 |
[1]風技の基本。掌に”気”を集中させ”風”を集める→集まった”風”を掌の上で己の”気”と練り合わせ、一気に発つ。(権兵衛さんより) [2]足元から起こした”風”に”気圧”をかけて”真空”を発つ。(権兵衛さんより) [3]手を後ろから前に押し出すように振るうことでカマイタチを飛ばす。両手でやると威力が倍になる。カマイタチには厚みがある(権兵衛さんより) [4]上空の風を一気に圧縮して叩きつける。(権兵衛さんより) [5]拳に風を纏って強力な拳撃を与える。食らった者は拳圧+風圧で砕け散る。(権兵衛さんより) [6]相手の腕が逆になるように取って肩に乗せ、 もう一方の手で肘をすくい逆関節を極めながら相手の軸足に一撃加え、一気に背負って投げ飛ばす。(権兵衛さんより) [7]正拳”と”裏拳”とが対になった二段攻撃。真突きは二撃目の裏拳。(権兵衛さんより) [8]後ろにいる相手の手を掴み、自分の体を沈める時の勢いを利用して投げ飛ばす。(権兵衛さんより) [9]相手の上腹部に肘を打ち込みながら両腕を交差させて襟を絞め、そのまま一気に引き、投げ終えたと同時に拳の当て身を打ち込む。 (権兵衛さんより) [10]血止め。”気の能力”を用いて”気”を送り傷を癒す。(権兵衛さんより) |