忍法剣士伝  [必殺技辞典]

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時は戦国・天正四年。織田信長は伊賀国・服部郷を滅ぼし、その勢いで近畿地方の統一を図っていた。次なる標的として南伊勢の北畠家を狙い、その圧倒的戦力で包囲しつつあったのだ。だが、優れた剣客でもある主・北畠具教を慕い、各地から集まってきた剣士たちに阻まれる。それは上泉伊勢守・塚原ト伝・林崎重信・柳生石舟斎など、日本最強とさえよばれる十二人の大剣士たちだった。だが圧倒的武力を持つ信長は、その力を背景に北畠家を恫喝。具教の娘・旗姫を自分の息子の嫁にするよう脅迫する。その恫喝に耐えかねた具教は、剣士たちの進めもあって旗姫の嫁入りを受け入れるようとしていた。
 ちょうどその時、忍法修行を終えて北畠家に帰ってきた青年・木造京馬と飯綱七郎太は、事態の展開に衝撃を受ける。特に旗姫を密かに想っていた七郎太は、自分の忍法でこの事態をおさめるため怪人物・果心居士に弟子入り。奇怪なる幻術「びるしゃな如来」を持って、旗姫を男を殺し合いさせ近づけなくする魔性の女に変える。さらにその魔力によって、北畠家を守る剣士たちを淫欲の獣と化させた!
 この事態にもうひとりの忍者・木造京馬は、姫の状態が回復するまで野に逃げ、その間の護衛役を具教に命じられる。だが、姫に執着する飯綱七郎太、そして恐るべき技を持つ十二人の剣豪たちは、お互いに争いながら二人に容赦無く襲い掛かるのであった・・・・・・

作者・・・・・・・・・・・山田風太郎
連載・・・・・・・・・・・河北新報
風太郎忍法帖長編シリーズのひとつ。タイトルに「忍法」と名がついてはいるが、忍者よりも、日本剣法史に名を残す大剣豪たちのバトルロイヤルの方に描写の比重が傾けられている。
なお、この作品は本来『忍者不死鳥』という題で連載されていたが、単行本化の際に現在の題に変更された。

ほおずき燈篭 飯綱七郎太
忍法剣士伝
果心居士より伝授された幻術のひとつ。女性と10日間かけて交わることで、その全身からあらゆる体液を吸収する。吸われた女性は形こそ留めているが、全身が水母のように透き通った形となって息絶えてしまう。この技で吸い取った体液を利用することで、もうひとつの幻術「びるしゃな如来」が使用できる。(ケケケさんより)

びるしゃな如来 飯綱七郎太
忍法剣士伝
果心居士より伝授された幻術のひとつ。「ほおずき燈篭」で吸い取って蓄えた体液を術者の体液と混ぜ、それを女性に浴びせかける。すると女性本人には何の影響も無いが、その女性を一目見た男は異常な色欲にとり憑かれた獣と化す。その威力たるや、男達がお互いに熾烈なる殺し合いを展開するほどである。また、その女性の周囲10歩より手前に入った男は、その範囲から逃れない限り射精し続けて力を失う。(ケケケさんより)
ただし、男性の変化は女性を直接見なければ発揮されないため、盲目であったり目隠しをしている男には影響しない。また、女性にかけた術そのもの効果は時間と共に薄れていくので、定期的にかけなおす必要がある。

地獄如来 飯綱七郎太
忍法剣士伝
「びるしゃな如来」の裏技ともいうべき幻術。「ほおずき燈篭」の体液を男性にかけると、その人物は自分より強いと思う男に対する憎しみの虜となる。それは恨みや反骨心なども沸き立たせ、やがては叛逆なども辞さないようになるのだ。 (ケケケさんより)


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