忍法ガラシヤの棺  [必殺技辞典]

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慶長五年、本能寺の変を起こした明智光秀の娘であり、細川忠興の妻である細川ガラシア珠子は、貞淑なキリシタンであることで知られていた。誰よりも熱烈に神を信じる彼女は、日本におけるキリスト教および伴天連たちのまたとない庇護者だったのである。
ある日、彼女と親しい伴天連のヴィンセンシオ神父は、その本人より奇怪な事実を告げられる。彼女・細川ガラシア珠子は、神を信じる貞淑なる聖女ガラシアと、自分を粗末にして世を渡る夫を憎む悪女・珠子という二つの人格をもっていたのだ。その事実を知り驚きあわてる神父。しかも、そんな彼に追い討ちをかけるように、謎の忍者・鴫留杯堂が現われて二人に奇怪な提案をするのであった・・・・・・・

山田風太郎・作、忍法帖短編シリーズのひとつ。『別冊小説新潮』1970年7月号に、『棺の伽羅香』というタイトルで掲載されたが、単行本化の際に現在の題となった。

忍法 陰陽分身 鴫留盃堂
忍法ガラシヤの棺
謎の忍者・鴫留の忍法。不思議な煙を立ち上らせ、それによって生まれる影を本人の分身とする。その影の外見は本体とそっくりだが、中身は別人格となっている。鴫留はこの技を使い、二重人格のガラシヤ夫人を二人にわけた。
使い手の名前(しぎるはいどう)からして、元ネタは「ジキルとハイド」か。(ケケケさんより)


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