武蔵野水滸伝  [必殺技辞典]

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所は日本、時は天保。幕末を目前に控えた日本の各地では、無頼・遊侠の徒が溢れていた。清水の次郎長・国定忠治といった大親分たちに率いられた彼らは、腐敗した木っ端役人などどこ吹く風と、好き勝手にやっていたのである。そんな事態を打開すべく、時の老中・水野越前守忠邦は、腐敗していた広域捜査”関八州見廻り組”を強化改革することを二人の男女に命ずる。その男の名は遠山銀五郎・あの遠山金四郎の息子。一方、女の名はお耀・金四郎のライバルとして悪名高い鳥居耀蔵の娘。父親同士の不仲とは裏腹に、この二人は将来を誓い合った恋人同士である。そんな彼らが建てた計画は、天保の日本に名を馳せた大剣豪、千葉周作・斉藤弥九郎といった面々に見廻り組をやってもらうことだった。
だが、そんな彼らの計画の裏で暗躍する怪人物がいた。その名は「南無扇子丸」。人間の永遠の闘争を望むこの怪人は、集められた剣士と各地の大親分たちにとある術をかける。その術”知行散乱”とは、人の意識を他人の体に移しすことで恐るべき魔人を作り出すものなのだ・・・・

作者・・・・・・・山田風太郎
山田風太郎忍法帖シリーズのひとつ。講談や浪曲で有名な『天保水滸伝』を題材にとり、天保の江戸時代に名を馳せた剣士や侠客たちが所狭しと暴れまわる。

知行散乱(ちぎょうさんらん) 南無扇子丸
武蔵野水滸伝
謎の怪人・南無扇子丸が操る妖術。人間の意識だけをほかの人間の体に乗り移らせることで、別人と化すことができる。発動の手順はいささか複雑で、以下のようになる。
まず、甲という男が女体に変じた扇子丸と交わり、その体内に精液を残す。次に男になった扇子丸が、乙という男にその精液を送り込む。すると見た目は乙だが、精神は甲という人物が出来上がるのである。能力は精神のほうに由来しており、甲が剣の達人であれば体が乙でも達人となる。(ケケケさんより)


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