自来也忍法帖 [必殺技辞典]

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江戸時代、伊賀国に領地を持つ藤堂藩の跡取り・蓮之介が、こともあろうに将軍の前で、全身から精液を垂れ流して悶絶するという奇怪な死を遂げた。この事態に御家御取り潰しの危機を感じた藤堂藩だが、時の実力者・中野石翁から意外な要求が下される。現将軍・家斉の第三十三子・石五郎を、藤堂藩主・和泉守の長女である鞠姫の婿にしろというのだ。将軍家に逆らえない藤堂藩はしぶしぶこれを受け入れるが、肝心の石五郎は言語と知能に障害を持つ男であった。
 一方、この蓮之介変死事件を仕掛けた黒幕である服部蛇丸は、この事態に驚きあわてる。藤堂藩の跡取りを殺し、伊賀国を再び服部一族が支配する“お家乗っ取り計画”こそが彼らの目的だったからだ。そこで蛇丸は自らが率いる服部無足人と共に、蓮之介を変死させた伊賀忍法「精水波」をもう一度使って石五郎も亡き者にしようとする。だが、彼らの謀略は、鞠姫と石五郎を守るように現れた覆面忍者・“自来也”によってことごとく妨害されるのであった。
 果たして藤堂藩と鞠姫、そして石五郎の運命は? 謎の忍者・自来也とはいったい何者なのであろうか・・・・・・?

作者・・・・・・・・・・・山田風太郎
連載・・・・・・・・・・・文芸春秋
風太郎忍法帖・長編シリーズのひとつ。シリーズでも珍しい、忍者ヒーローが活躍する“正統派時代劇小説”である。

舌轆轤 お戒
自来也忍法帖
伊賀忍法のひとつ。口づけした相手の舌をこね回し、その形を作り返る。作りかえる形は術者の意のままであり、作中では男根に変えてしまった。また、この忍法を使われたのが女だった場合、その者に忍法「精水波」の仕掛けを移すことができる。 (ケケケさんより)

蘭奢待 お丈
自来也忍法帖
伊賀忍法のひとつ。自ら切り落とした肉体を、自らの意思で自在に操る。切り落とした部分の生命力が尽きない限りほぼ自由に動かすことができるので、切り離した部分だけで戦闘が可能である。また、元の通りにくっつけることも可能である。
この忍法は、中国から伝わった術を基にしており「乱蛇体」と書いていたが、語呂合わせの結果、今のような名前になった。 (ケケケさんより)

乳しぼり お津賀
自来也忍法帖
伊賀忍法のひとつ。感極まった状態で、己の股間から大量の愛液をほとばしらせる。この液を浴びた女は、周囲の男を無差別に引き寄せて色欲に狂わせる妖女と化してしまう。茜にかけることで、白痴の妖女に変えてしまった。
この忍法は体中の体液をすべて使い果たして行うため、術者本人は干からびて死んでしまう。 (ケケケさんより)

くノ一蝋燭 お塔
自来也忍法帖
伊賀忍法のひとつ。全身の毛穴から脂をにじませることで、火に引火させる。この脂は凄まじく燃えやすいので、少し付着していればあっという間に燃え広がってしまう。お塔は湖の他にも、手をこすりあわせて火を起こす忍法を体得している。 (ケケケさんより)

死人谷牙 自来也
自来也忍法帖
阿波流忍法のひとつ。死人もしくは気絶している人間を操って、声を出させることができる。基本的に芝居や脅し用だが、死んだと思った相手が喋りだすのはかなり不気味なので、忍者相手でも十分効果がある。
「こだま」と書いてある通り、動かせるのは基本的に声帯だが、その気になれば声のみならず体のほうも動かせるようだ。 (ケケケさんより)

月の羽衣 自来也
自来也忍法帖
阿波流忍法のひとつ。月光の光にも似た布をかぶることで、周囲の景色に溶け込んで姿を消してしまう。感覚鋭い忍者をすら欺くことができるが、よく注意すればどこと無く違和感が存在している。名前からして、薄闇や朧夜でなければ効果が無いと思われる。 (ケケケさんより)

精水波 服部無足人のくノ一
自来也忍法帖
服部蛇丸が編み出した忍法のひとつ。この術をかけられた五人の女と交わった男は、麻薬の禁断症状のような状態になり、これらの女を求めるようになる。そして、それがかなわぬ場合、男は精液を垂れ流しながら悶死してしまう。藤堂家のあととりを暗殺するために使った、乗っ取り計画の要と言うべき術である。(ケケケさんより)

血縄 服部無足人など
自来也忍法帖
伊賀忍法のひとつ。自らの血を縄にしみこませることで、強靭な吸着力を持たせる。「血糊」という言葉通りの効果があり、石垣や壁もたやすくよじ登れるようになる。後に自来也も、この技を盗んで使っている。 (ケケケさんより)

髪文字 茜、お塔など
自来也忍法帖
伊賀忍法のひとつ。切り離した髪の毛がまるで生き物のように動き回り、術者のメッセージを伝える。髪の毛はかなり遠くまで持つので、少々離れていてもメッセージを伝えるのに不便は無い。「精水波」をかけたくノ一は、みなこの術で蛇丸に結果を知らせた。 (ケケケさんより)


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