軍艦忍法帖  [必殺技辞典]

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時は幕末の日本、飛騨山中より江戸に出てきた乗鞍丞馬は、師より”飛騨幻法”なる忍術の奥義を授かり、それをもって名を上げんとしていた。そのことに不満を持つ同輩や、彼に惚れて飛騨からやってきた女たちも眼中に無い彼だったが、江戸の侍・宗像主水正に敗れて片腕を失ってしまう。実は飛騨幻法には、術者が女に惚れるとその威力を失う弱点があった。主水正の婚約者である美也を一目見た丞馬はその虜となってしまったのだ。
 それからの丞馬は主水正の付き人となり、美也の近くにいるだけで満足するようになる。だが、軍艦奉行・勝海舟の部下として辣腕を振るっていた主水正は、勝と対立する江戸奉行・小栗上野介の刺客によって討ち果たされてしまった。そのことを怒り悲しむ美也は敵討ちを決意。彼女を守ることを誓った丞馬も付き添い、仇である5人の武士・小栗より西洋の最新技術を伝授された彼らを追って復讐の旅に出る。
 激動にゆれる幕末を旅する二人の男女。復讐を求める彼らの旅路の果てにあるものとは・・・・・・・?

作者・・・・・・・・・・山田風太郎
連載・・・・・・・・・・漫画サンデー
風太郎忍法帖長編シリーズ第3弾。幕末というシリーズ屈指の新しい時代を舞台に、激動の運命に翻弄される忍者の末路を描く。勝海舟や小栗上野介を始めとして、新撰組や坂本竜馬など幕末に名高い歴史人物が多数登場しているのも特徴。

断鉄の法 乗鞍丞馬
軍艦忍法帖
飛騨五幻法の第一。両腕を鋼に変え、切りかかる刃を掴んだり、氷柱の如く叩き折る。
そして、その腕を振るって攻撃に移れば、人剣ともに粉砕し屠り去る恐るべき凶器と化す。(将問公さんより)

水紗幻法 乗鞍丞馬
軍艦忍法帖
飛騨五幻法の第二。水(通常は丞馬が腰に下げている瓢箪の水)を口に含み、空中に向けて吐き出すと水が当たり一面にドーム上に広がる。
水の幕の向こうの丞馬は水底に居るかの如くおぼろにしか見えず、いつしか相手の視界より消えてしまう。
また、ドームの中に相手を包み込むと水の幕は鏡の様になって、さながら内部を巨大な万華鏡にしてしまい相手の方向感覚を乱す。
液体であればなんでも良く、また霧状にして遠く離れた相手に吹きかけたりすることも可能。(将問公さんより)

山彦幻法 乗鞍丞馬
軍艦忍法帖
飛騨五幻法の第三。離れた所から自分の声を出す。
自身の居場所とは全く違った場所から声を出して相手を撹乱したり、離れた場所から耳打ちしたりと応用の幅は広い。
(将問公さんより)

飛魂幻法 乗鞍丞馬
軍艦忍法帖
飛騨五幻法の第四。切り離した身体の一部を自由自在に操り、相手を攻撃する。
例としては、髪の毛をちぎって相手に繰り出せば、その髪は鋼の紐の様になって相手を締め上げ、腕ならば相手に気付かれずに忍び寄って襲い掛かる。(将問公さんより)

死恋幻法 乗鞍丞馬
軍艦忍法帖
飛騨五幻法の第五。この幻法以外の四つの幻法は、術者の生命を削り燃焼させることで発現するもので、
女性を愛したり恋するなどして生命を削ってしまうと使えなくなる。そこで、この死恋幻法をもって補うのである。
己の断末魔に、離断した身体の一部に残った全ての生命力を注ぎ込んで使役する最後の幻法である。
最後の幻法の名に恥じず、その働きは残された身体も一部だけで軍艦を一つ沈めるほど凄絶であった。(将問公さんより)


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