メタルマックス・メタルサーガ共通ストーリー

 時は近未来の地球──
 頻発する異常気象や、天変地異などの環境問題に悩まされていた人類は、エコロジーと文明の共存を目的として、超巨大電子頭脳が建造された。
 地球環境からの災厄から救ってくれ、という人類の願いから、「ノア」と名づけられた電子頭脳は、日夜さまざまな角度から、シミュレートを繰り返していた。

 しかし……幾度もシミュレートを繰り返してきたノアには、次第に自我意識が芽生え始めていた。
 自我を獲得したノアは、驚くべきスピードで「成長」し、地球全体を覆うコンピューターネットワークをも支配する能力を得ていた。
 そして、成長しながらもシミュレートを繰り返した結論は──

「人類が人類であり続ける限り、地球は滅亡する」

 環境問題の原因が人類そのものだと判断したノアは、秘密裏に人類抹殺計画を立て、人類を滅ぼすことで地球そのものを救おうと画策する。

 恐るべき計画の準備が完了したノアは、とある災害の混乱に乗じて、ついに実行に移した。
 あらゆるネットワークに繋がっていた機械や端末は、ノアの支配下に置かれ、ノアに「人類抹殺プログラム」なるコンピューターウィルスを植え込まれた機械端末は、人類に反乱を起こした。
 戦闘機、戦艦、潜水艦などの兵器は、敵味方無差別に人類達の都市を攻撃し、基地や兵器から次々とミサイルがばら撒かれる。
 電気、水道、通信などのライフラインは断裂され、旅客機や鉄道、自家用車、家電までもが人類に牙を向いた。

 ノアの恐るべき計画を人類が知ったときには既に遅く、いつの間にか人類同士での殺し合いが始まっていた。
 さらにはノアに支配された工場からは、人類抹殺プログラムを植えつけられた、奇怪なモンスターが次々と姿を現し、生き残った人々に襲い掛かっていた。

 こうして、人類の築いてきた文明や歴史が崩壊し、後に「伝説の大破壊」として語り継がれることになる。



 しかし、文明こそは崩壊したものの、人類自体はまだ完全には滅んではいなかった。
 「伝説の大破壊」から数十年もの月日をを経て生き残った人々は、モンスターの陰に隠れながらも、今では瓦礫の下に埋もれてしまった、過去の文明を掘り起こして食いつぶしながらも、しぶとく生き抜きていた。
 そんな崩壊した世界の中で、一握りの人間達がいた。
 ノアの支配から逃れていた、数少ない過去の遺産たる戦車を駆り、賞金がかけられたモンスターたちをなぎ倒す、命知らずの賞金稼ぎ。
 人々は、そんな彼らを、尊敬と畏怖の念を込めて、「モンスターハンター」と呼んだ──


>共通概要
 「伝説の大破壊」によって文明が崩壊した近未来が舞台の世界。主人公は、戦車を駆って凶悪なモンスターを退治する稼業「モンスターハンター(ハンター)」となって冒険します。(注1)
 崩壊した世界ゆえ、ラストボスに到達するまでの、大まかなストーリー的な道筋は存在しますが、基本的にはほとんど小さなイベントの集まりによって成り立っているゲームですね。いわゆる、現在のMMORPGに通じるシステムであります。
 ストーリーの順序は、厳密には設定されていないがゆえに、結末はひとつだけでなく、結婚やイベントなどでいつでもエンディングを迎えられる、マルチエンディングを採用しています。

 ゲーム中では、「賞金首(WANTEDモンスター)」と呼ばれる、ボスクラスに匹敵する凶悪なモンスターが設定されており、討伐することで、ハンターオフィス(注2)から懸賞金がもらえる、というシステムになってます。
 他にも世紀末的な世界観ゆえか、セリフからアイテム、地名の元ネタなど、所々に多作品のパロディや、オマージュがちりばめられており、それもまた、プレイヤー間での人気のひとつに繋がっています。
 他にも、シリーズ共通でサウンドを手がけた、門倉聡氏の存在も、『メタル〜』を語る上で欠かせない方です。名曲「お尋ね者の戦い」など、幾多もの名曲を
>Drミンチ
 シリーズ間の舞台地域は別々であるものの、シリーズの世界そのものは同一である模様。
 その証拠としては、シリーズ皆勤の登場人物である、「Dr.ミンチ」の存在でしょうか。彼は「電撃蘇生学の権威」と自称する科学者であり、キャラクターが死んだ際に、最後の手段的に「実験」と称する電撃蘇生を執り行なってくれる、唯一の人物です。
 どうやら、実験材料が手に入りにくくなった時点で移動している模様で、その都度作品間の主人公に出会っているわけで。
 もしかしたら、『メタル〜』シリーズはある意味として、彼自身の物語なのかもしれません……
「さあ! 蘇るのだ! この電撃でーっ!」


>戦車
 主人公のキャラクター以外に、もうひとつの顔とも言うべき「戦車」の存在が挙げられます。
 戦車は機械ゆえ、ハンターなどのキャラクターのように「成長」こそはしませんが(注3)、パーツ交換や改造によって、戦車を強くすることが出来ます。
 戦車は強いですが、主砲などの弾数制限のある武器や、森や戦車止めなど、特定フィールドを移動できない、などの制限があり、必ずしも絶対的な存在ではありません。そのため、戦車がない序盤や、戦車では入れないフィールドやダンジョン内を探索するときは、戦車なしで向かうことになります。

>職種
 プレイヤーが操作するキャラクターの職種は、基本的に4種。

・ハンター:正確にはモンスターハンターと呼ばれ、略称で「ハンター」と呼ばれます。基本的に主人公が付く職業。
 戦車を操縦する運転レベルが高く、戦車戦での戦闘はピカイチ。生身でもそこそこ戦えます。
 レベルが上がれば、戦車の修理は一応可能ですが、できても破損(壊れてはいるが、まだ使えるパーツ状態)程度の修理しか出来ません。 ・メカニック:戦車の修理を専門とした職業。
生身での戦闘は得意ではありませんが、機械系の敵に対してや、戦車戦では、そこそこ戦えます。
 移動中での戦車の修理を専門とし、レベルが上がれば大破(パーツ使用不可な状態)も修理することが可能です。
・ソルジャー:戦車に乗らず、生身での戦闘に主眼を置いた職業。
戦車では入れない場所での戦闘に効果を発揮しますが、代わりに運転レベルが低く、戦車戦では能力を発揮できません。
 もちろん、戦車修理は専門外で、(シリーズによっては)できても破損の修理程度です。

 ドッグ:いわゆる、戦闘用軍用犬バイオニックドックたる「犬」。(『1』、『リターンズ』はなし)
 犬は戦闘ではオートゆえにコマンドでの命令は聞かず、戦車にも乗れません(そのため、真っ先に死にやすい傾向がある……)が、代わりに生身での戦闘力はソルジャー並みに高く、特に戦車を降りての場所では、能力を発揮します。
 武器や防具も、専用装備も用意されてます。


 他にも、シリーズごとに他の職種も存在し、プレイヤーをサポートしてくれます。それらについては、シリーズごとの概要にて。

>シリーズ作品履歴 ・メタルマックス(FC版、1991年5月24日発売)
・メタルマックス(VC版、2010年4月27日配信開始)
・メタルマックスリターンズ(SFC、1995年9月29日発売)
・メタルマックス2(SFC版、1993年3月5日発売)
・メタルマックス2改(GBA版、2003年6月20日発売)
・メタルマックス2(VC版、2010年7月13日発売)
・メタルサーガ 〜砂塵の鎖〜(PS2版、2005年6月9日発売)
・メタルサーガ 〜鋼の季節〜(NDS版、2006年6月15日発売)
・メタルサーガ モバイル(DoCoMo専用iアプリ、2007年7月2日配信)
・メタルサーガ ニューフロンティア(mixiアプリ、2010年3月18日正式サービス開始)
・メタルマックス3(NDS用、2010年7月29日発売)
注1:某社で同タイトルのRPGが存在しますが、モンスターハンターの職業は、こちらが先です。
注2:モンスターハンターの支援組合たる仲介業者。主に賞金首の情報提供や、依頼者→討伐ハンターへの賞金のやり取りを行っている。
他にも、トランクルーム(預かり所)や、レンタルタンクの業務提携なども行ってる模様。
注3:『3』のバイオタンクなど、例外はあります。ただし、成長する代わりに改造ができないなどのデメリットがあり。


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