君の居た昨日、僕の見る明日

【用語解説】
  • 四季少女達(シーズン・シスターズ)

  • それぞれ名前の頭に「春夏秋冬」の文字を冠する四人の合成幽霊少女達の事。命名者は長居優樹。
    かつては鈴乃宮学園の校舎に疎開したが、偶然爆撃に巻き込まれて無念のうちに焼死して自縛霊となった少女達の霊の将来への希望など比較的きれいな部分だけを切り取って鈴乃宮学園がつなぎ合わせることで誕生した四体の合成霊である。
    つぎはぎだらけで構成されているため、強い衝撃を受けるとパーツが外れることもよくある。
    ちなみに内訳は明るく活発な「春香」と体育会系元気少女「夏輝」、比較的物事を斜めに構えた感のある「秋菜」、口数の少なめで外見的には物静かな「冬美」となっている。ただしこの名前は四季少女の名が冠される前から存在している(四季少女の由来でもある)
    なお、四季少女制作の際に排除された生への強い執着心や恨み辛み、復讐心など一般的に「怨念」と呼ばれる不の感情は勝手に結合したり独自行動したりしており、通称「悪霊」と呼ばれている。

  • 悪霊

  • 四季少女達作成の際に鈴乃宮学園によって排除された様々な怨念が独自行動するようになった物。
    単体で実体化するものもあれば複数の怨念が結合するものもあり、また別の物体を依代にして顕現することもある。作中で登場したのは影のようなものや焼死体(ゾンビ)、ネレイド<03>などがあり、大抵は好戦的な性質を持っている。ちなみに命名者は保険医の本町小竹乃。
    対処方法は紅葉の「狐火」や長居優樹の祖母である長居楓(=紅葉)が造った御守り、アグニエシカの陰陽術がある。また準対抗手段(主に牽制)としてネレイド<02>の銃火器類等も一応存在している(重火器が主力対抗手段にならないのは、非実体化状態の場合物理手段が通用しなくなるため)

  • 御守り

  • 正しくは「長居優樹が左手につけている御守り」
    長居優樹の祖母で、かつて長居神社で巫女を務めていた長居楓の作成した御守りである。
    御守り自体に「長居優樹を霊的な外敵から守る」という術式と膨大な量の霊力を込められており、その霊力総量は人と比べて非常に高い霊力を持つアグニエシカでも外敵を祓う能力においては敵わないと言わしめることからその性能は追って知るべし。
    ちなみに長居楓の正体は人間に完全変化した「紅葉」(楓という名前は紅葉の元の飼い主の名前)であるため、もしかしたら霊術というより妖術で創られた御守りというべきなのかもしれない。

  • CUFAWS・TM003I<ネレイド>

  • 正式名称は「今里技術工業製・全自動戦争機構中枢体(CUFAWS)・選考用試作機(トライアル・モデル)〇〇三型・機種名<ネレイド>」(略称「CUFAWS」を正しい綴りで書くとおそらく「Central Unit Full Automatic War System」だと思われる)
    ごく人間に近い構造をしており、外見だけで人間かどうか判断するのは困難。でも紅葉には匂いでバレた。
    アメリカ合衆国が冷戦時代に合衆国が核兵器などでソビエトに滅ぼされた場合を想定した報復計画「復讐の女神(ネメシス)計画」(記述は日本語訳)の一環として開発が進められた機体でもあり、人間のような振る舞いをおこなう理由で開発者の娘の人格のコピーを人格として植え込んである。
    また外見もその娘を模しており、当初は娘同然に(娘からは妹のように)扱われ始めた結果、メモリ内に「人間(開発者の娘)になる」という新たな行動理念が誕生した。しかし皮肉にも開発中に開発者の実娘が死亡した為、その直後より開発者からは娘の形をした紛い物として忌み嫌われるようになった。
    その後追加で二機製造され、一号機の人格が移植された後にアメリカの報復計画における試作機として輸送されるがその計画自体が中止となり、処分のために輸送されていた。だが輸送中に事故に巻き込まれてあわや焼失の憂き目に会ったとき、学校の幽霊である「鈴乃宮学園」に引き込まれた。
    [各機体に関して]
     ・PN<01>(一号機)
       このシリーズで最初に開発された機体。この機体の人格が残りの機体に移植されている。
       輸送機の事故に巻き込まれた際、頭部の中枢ユニットが焼失した状態で鈴乃宮学園に取り込まれる。
       その後、02が03(悪霊)との戦闘で損失したパーツの代わりとして再利用した。
     ・PN<02>(二号機)
       鈴乃宮学園生徒「ネレイド」として登場している機体。
       鈴乃宮学園内にて起動した後に長居優樹を始めとする一団に接触。
       紆余曲折の後に鈴乃宮学園の生徒となって無事に卒業式を迎える。
       鈴乃宮学園成仏後の行方は不明だが、おそらく元の世界に戻った後、設計計画ごと扇町家傘下の企業
       集団に買い取られたと思われる。エピローグにはこの計画より誕生した家庭用アンドロイドが登場。
     ・PN<03>(三号機)
       2巻にて『悪霊』として登場した機体。
       起動の際に悪霊に取り付かれ、さらにアメリカ合衆国の存在がロストした為に報復モードに移行。
       さらに一号機から移植された人間になりたいという意識が悪霊と同調し、機体そのものが悪霊化
       してしまう。ある意味、最も最初に『人間に近づいた』ネレイドシリーズともいえる。

  • 文部科学省陰陽課

  • 魔術や霊障など非科学的な現象を一般の目から遠ざける為に設立された文部科学省の非公式部門。
    存在を隠匿する理由から書類等の公式文章が残されていない為、いつ設立されたかすら不明。
    一説には平安時代などの朝廷に実在したとされる組織「陰陽寮」に存在した陰陽師たちが設立したとも言われており、その主な業務は日本各地で発生する非科学的な現象の早期解決や近代科学技術を利用した職員用の術式発動補助器具の開発などとても一般人には公開できないような事象である。
    ちなみに予算は公式的に記載することができないため、巷で問題になっている「使途不明金(公には使用目的が分からない金銭。普通は私的に流用されていることが多い)」のようなものが割り当てられている。

  • 呪術式戦闘強化装束<拳姫>

  • 文部省陰陽課が開発した呪術武装の一つで、戦闘用呪術装束。
    見た感じは巫女服のパチ物だが、装着者の動きを殆ど阻害せずに大量の武装を収納できる最先端の戦闘装束。
    戦闘装束としての性能に加えて内部に織り込まれた術式を起動することで三分間の間装着者の身体能力を飛躍的に向上させることができる。またいくつかの形態変化能力を保有しており、作中では術式強化された二枚の布が帯に纏わりついて二対四本の補助腕を形成する「阿修羅」形態が確認されている。
    ちなみに基本形態の実物は3巻及び5巻の表紙絵、阿修羅形態は5巻にカラーイラストが掲載されている。

  • 拳銃型高速祈祷器(マニ・ピストル)<弓姫>

  • 文部科学省陰陽課が現代科学技術を取り込んで開発した呪術武装の一種。
    回転弾倉(リボルバー)式の拳銃のような形をしているが、れっきとした高速術式詠唱装置である。
    弾倉状の祈祷車(スペルドラム)に前もって術式を刻んでおくことで、一秒間に祈祷車を四回転させて最大六発までの術式を即時起動できるという兵装である。術者がグリップを握ることで術式に霊力が供給されて使用可能となり、連続使用による祈祷車の劣化(ソドム現象)もしくは術者の霊力がなくなるまで使用し続けることができる(祈祷車の劣化は祈祷車の一部に浮かび上がる赤い線の有無によって確認可能)
    ちなみにこの銃はあくまで「祈祷器」であるため、発動する術式によっては近接戦闘も可能。
    なお初登場時の3巻では登場していないが、本来アグニエシカはこの高速祈祷器を二丁持っている。
    ※祈祷の「祷」の部分は本来別の漢字が入るが、ANSIコードでは入力できない為に同義の漢字を割り当て中。

  • 宝剣<刃姫>

  • 文部科学省陰陽課が現代科学技術を取り込んで開発した呪術武装の一種。
    この武器を使用する前に行われた戦闘や虎丸から分離した霊力塊との戦闘で使用されなかったこと、武器名などから考えるとおそらく安価な宝石で作られた剣であると思われる(宝石には昔から魔力が宿ったりすると考えられており、実際にそういったものを術具として使用する例もよく見られる。占いに使用する水晶玉などが代表例)
    おそらく霊体に干渉できる宝石の特性を生かして相手を切断する武器(実体剣)であり、使用に際してあまり霊力を必要としない武器であると推測される。ちなみに虎丸の霊力塊との戦闘でこの武器ではなく二丁の<弓姫>で炎の剣を創って使っていたのは、霊体切断効果以外に付随する効果を持っていないからであろう。

  • 扇町家

  • 扇町聖の実家。国内有数の権力を擁する一族であり、その権力の規模は時にちょっとした法律ならうやむやにできる程であることから追って知るべし。現在は次期当主(扇町聖)の性格に手を焼いているらしい。しかもその次期当主が突然神隠し(実際は鈴乃宮学園に取り込まれた)に遭って一年ほど行方不明になる。
    その後、次期当主が発見されてからは今里工業から廃棄予定だったネレイドシリーズの開発計画を丸ごと(企業ごと?)買い取って家庭用アンドロイドとして一般販売するなどの成果が知られている(特にネレイドシリーズの一般販売はアンドロイドの人権問題が提唱される最大の要因となっている)

  • 舞踏呪術

  • 作中で登場した魔術の技法の一つで、舞踏によって陰陽術を発動させる技法。
    おそらく神道の「神楽」辺りを陰陽道に取り込んだ結果、誕生した技法と思われる(元より実際の陰陽道自体が陰陽思想と五行思想を基礎概念に神道や仏教、道教などの既存の思想を取り込んで完成させられた日本独自の思想とされている)



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