用語解説

○魔法:「自然摂理や物理法則をプログラム化し、それを任意に書き換え、書き加えたり消去したりすることで作用に変える技法」のこと。このプログラムは詠唱や集中などをトリガーにして起動される。また、時間遡行や死者蘇生は不可侵領域とされる。
作中ではミッドチルダ式のものが、汎用性や技術応用への幅広さ、修得の容易さ、使用者の圧倒的な多さ等の理由から主流とされている。が、他にも魔法の技術体系は数多く存在し、そういったものは管理局法に抵触するような危険なものでもない限りは、歴史保存の意味からも保護や運用継続の推奨がされているようである。

○デバイス:魔法の運用を補助するための器具の総称。詠唱の高速化・不要化、魔法の起動をスムーズにする、魔導師の身体ひとつではリソースが不足する故に制御の困難な大型の魔法を支える、といった機能を持つ。 また、魔法を使用するための演算補助装置や魔法のデータを記憶する装置、予備魔力蓄積石、暴発防止のための各種の安全装置等を備えた電子機器、というのが作中の時代では一般的な物のようである。 単位は「機」を使う。

○インテリジェントデバイス:人工知能を有し、簡単な質疑応答を行える自立思考型デバイスで、なのはやフェイトが使うタイプ。デバイス自体が状況判断を行いその場合に応じた魔法を自動起動させたり(これを「デバイス発動」と言う)、主に合わせて性能の調整を行ったり、戦闘時には魔導師との連携を取りその力を飛躍的に高めることができるといったことが特徴。優秀な機体であれば、自己進化とすら言えるほどの発展性を見せる可能性もある。また高性能な物の多くは変形機構を備えており、待機状態での小型化や各専門分野に特化した形態への変形が可能である。
しかし機体が自由意志を持つ故に術者の思い通りにはなりづらい事と、術者の力やお互いの信頼が足りなければ、双方の能力を殺し合ってしまうことになるために扱いが難しいとされ、また機体自体も高価な為さほど一般的なものではないようである。

○ストレージデバイス:デバイス関連ではもっともポピュラーなタイプのもの。インテリジェントデバイスと比べて、魔法の発動を全て自己決定しなければならないが、その分処理速度は速いため、術者の能力次第では高速かつ確実に術を使用できる。主にクロノや管理局の武装隊員が使用するタイプ。また、最新型かつ高性能な機体であるデュランダルは、インテリジェントデバイスのように簡単な質疑応答機能を備えている。

○アームドデバイス:ベルカ式のデバイス。魔法のサポートをする能力は低いが、武器としては格段に高い性能を持つようなタイプの物が多い。またベルカの騎士は複数の武装を持つことを嫌うため、2〜4形態への変形機構を持つ物が多い。加えて、カートリッジシステムを有するのが最大の特徴として挙げられる。しかし、武器の形状をとっていなかったりカートリッジシステムを持たない機体でも、ベルカ式の魔法を運用する物であればアームドデバイスとするのが一般的なようである。また、なのは達のインテリジェントデバイス同様簡単な質疑応答(ただしインテリジェントデバイスの言語が英語なのに対し、アームドデバイスの言語はドイツ語)が可能。

○融合デバイス:俗称「ユニゾンデバイス」。ベルカで開発された、インテリジェントデバイスの性能を極端化したようなデバイス。姿や意志を与えられたデバイスが術者と「融合」し、魔法の管制・補助を行う。他のデバイスに比べてはるかに優秀な魔力や感応速度を得られるが、適正者の少なさや調整の手間、実験中の融合事故の多発等により、正式な実用化には至らなかった。
使用中の術者には融合による見た目の変化として、デバイス側の姿の一部の顕現が見られる。が、使いこなせていない場合にはデバイス側の姿が出てくる割合が大きくなり、最終的には内部に取り込まれてしまうことさえある(これが上記の融合事故の一例)、危険な代物。作中では闇の書(後のリインフォース)がこれに当たる。

○カートリッジシステム:ベルカ式最大の特徴とも言えるシステム。デバイスの中に儀式で圧縮した魔力を込めた弾丸をあらかじめ装填しておき、戦闘中にロードすることにより一時的にその力を飛躍的に高める。当初はヴォルケンリッターの2人の物のみだったが、ヴォルケンリッターとの初戦で傷ついたなのはのレイジングハートおよびフェイトのバルディッシュも改修によりこのシステムを搭載することになった。しかし、本来このシステムはミッドチルダ式デバイスとは相性が悪く、本体破損等の危険性があるため正式な採用が見送られてきた、クロノ曰く「危険で物騒な代物」である。
また、管理局内ではこのシステムの部品には「CVK-792」という型式番号が振られている。ちなみにレイジングハート・エクセリオンに搭載されているのはオートマチックタイプの「CVK792-A」、バルディッシュ・アサルトに搭載されているのはリボルバータイプの「CVK792-R」である。

○バリアジャケット(防護服):魔導師が自らの魔力で生成する、魔法による攻撃・衝撃や温度の変化などから術者を護ってくれる衣服。衣服だけでなくその周辺にも防御フィールド(不可視)を形成しているため、見た目的には肌が露出している部分でも、実際にはその効果を受けている。ベルカでは「騎士甲冑」「騎士服」などとも呼ぶ。
なのはとフェイトのものはデバイス改修後には、なのはのものが「セイクリッドモード」、フェイトのものが「ライトニングフォーム」にそれぞれパワーアップしている。さらにフェイトの場合、装甲を削ってさらに高い機動力を得た形態「ソニックフォーム」を修得している。またなのはの場合、バリアジャケットが限界を超えるダメージを受けた際に、自らその一部を爆散させて攻撃のエネルギーを相殺する「リアクターパージ」という最終防衛機能も備わっている。

○使い魔:魔導師が作製し、補佐役として使役する魔法生命体。死亡する直前、またその直後の動物に人造の魂魄を憑依させ、「契約」を行うことで造り出される。存在している間はその性能に応じた魔力を主から消費し続け、完全に破壊されるか契約を破棄もしくは完了すると消滅する。基本的に、ベースとなった動物の特徴を性格や人間形態時の身体の一部に残していることが多い。作中ではアルフがフェイトの、リニスがプレシアの、リーゼ姉妹がグレアム提督の使い魔である。

○リンカーコア:魔導師や魔法生物の体内に存在する、魔力の源。連結する核」の名の通り、「大気中の魔力素を体内に取り込み、体内に蓄積する」「体内の魔力を、術者の意志によって体外に放出する」という二つの働きをもつ器官でもある。
また、リンカーコアの有無は先天資質であり、後天的に生じることはかなり稀なようである。加えて、この資質は遺伝によって受け継がれる確率が高いが、ごく稀に突然変異でも発生し、そういったものは普通の場合と比べ強力、または特殊なものであることが多いようでもあるとされている(なのはの場合が突然変異種の一例)。

○時空管理局:ミッドチルダを始めとする、魔法技術を持ついくつもの世界が共同で組織・運営する司法機関。魔法関連の事件・犯罪の捜査やその裁判、各世界の文化・技術管理、ロストロギアへの対処、災害救助、管理外世界における魔法の悪用がないかどうかの監視など、多くの役割を持つ。内部には武装隊、捜査官、執務官、医療班、戦技教導隊などの様々な部署・役職が存在する。また、次元空間内に「本局」と呼ばれる建造物があり、組織の中枢的役割を果たしている。

○アースラ:時空管理局に所属する次元空間航行艦船で、「巡航L級8番艦」。次元空間はおろか、宇宙空間でも航行可能。PT事件や闇の書事件後半においては、司令本部として機能した。また闇の書事件の際に、魔導砲「アルカンシェル」を搭載することとなる。
艦長であるリンディ・ハラオウン提督を始めとし、クロノ・ハラオウン執務官、エイミィ・リミエッタ通信主任兼執務補佐官、オペレーターのアレックスとランディ、ギャレット以下捜査スタッフ達が主な乗組員である。

○アルカンシェル:フランス語で「虹」の意味を持つ、艦船搭載用の強力な魔導砲。ファイアリングロックシステム(火器管制機構)を起動させた状態で、始動キーを差し込むことで発射される。チャージ等に時間がかかるが、管理局の艦船武装の中でも屈指の殲滅力(同型の艦船をもあっさりと撃ち落とせるほど)を誇り、その使用は特定の条件を満たした状況下でしか許可されない。弾体自体には攻撃力はほとんどなく、着弾後一定時間の経過によって空間歪曲と反応消滅を引き起こすのがその効果である。また、最大射程よりもその着弾時効果の方が遙かに大きいため、発射後は艦船転送による退避が必要となる。 ユーノ曰く「発動地点を中心に、百数十キロ範囲の空間を歪曲させながら反応消滅を起こさせる魔導砲」である。

○ロストロギア:平行次元に存在する、高度の技術を持った次元世界から流出した古代の技術・魔法等の遺産。漢字で表記すると「古代遺産」となる。

○ジュエルシード:ロストロギアの一種であり、願いを叶える青い宝石。正体は次元干渉型エネルギー結晶体。しかし人間が誤って発動させると、思わぬ災害が起こる。特に人間が強い願いを込めて発動(曲がった形で発動させる)すると被害が大きい。全部で21個存在し、それぞれに1から21までのシリアルナンバーがローマ数字で振られている(数字の大小による能力の優劣はない)。

○プレシア・テスタロッサ事件:第1期の物語の中核を成していた、フェイトの母・プレシアが起こした次元災害発生未遂事件。通称「PT事件」。

○闇の書:A`sにおいての物語の鍵ともいえるロストロギア。その特性ゆえ「禁断の魔道書」と称されており、時空管理局でも「第一級捜索指定遺失物」と認定されている。全部で666項あり、リンカーコアから魔力を「蒐集」することでページが埋まり、全項が埋まると完成・封印解放される。未完成の状態でもページを消費することで記録されている魔法を使用可能。

○ヴォルケンリッター:ドイツ語で「雲の騎士」の意味を持つ、闇の書の守護者達のこと。将である「剣の騎士」にして「烈火の将」シグナム、参謀である「湖の騎士」にして「風の癒し手」シャマル、そして「鉄槌の騎士」にして「紅の鉄騎」ヴィータと「盾の守護獣」にして「蒼の狼」ザフィーラの四騎からなる。


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